第4話 断ち切れない初恋 ページ21
克樹サイド
キーンコーンカーンコーン…｡
琳寧「もぉ〜!何で､修学旅行の前にレポートの宿題が出るわけ〜(T_T)」
村木「仕方ないだろ､琳寧｡修学旅行だって､遊びじゃないんだからな」
放課後､俺は下駄箱で運動靴から革靴に履き替えながら､
琳寧と村木の会話を聞いていた｡
修学旅行まで､あと1週間｡
その前に､社会のレポートの宿題が出されたんだ｡
村木「テーマは､奈良もしくは京都だったな｡修学旅行に行く場所だし｡俺は奈良で行こうと思うんだ｡本高と琳寧は?」
琳寧「琳寧､村木と一緒〜」
克樹「(アイツ､何も分かってねぇだろ…(¬_¬))俺は…迷うなぁ」
って言うのも､俺は理系だから文系は苦手な方で(ーー;)｡
国語も社会も成績は悪くはないんだけど､恥ずかしい事にほとんど80点代なんだよ｡
琳寧「今日､村木の家で一緒にレポートをやりたいんだけど､ダメ?」
村木「ダメじゃないけど､実家の銭湯はどうすんだよ?お前､看板息子じゃん」
琳寧「連絡するから､大丈夫(^^)」
琳寧の実家は『陽だまり湯』という銭湯で､琳寧はそこの看板息子｡
放課後と休日は銭湯を手伝っていて､本高食堂の看板息子である俺と､
『港町に来るお客さんを笑顔にする』と誓い合ったんだ｡
琳寧「克樹も行くでしょ?」
克樹「俺は…」
嶺亜「克樹」
克樹「あっ…//」
振り返ると､通学鞄をショルダーにして肩に掛けている嶺亜がいた｡
この前､風邪をひいて休んでいたけど､
俺がお見舞いに行った翌日､学校に再び来るようになった｡
元気になって､良かった…｡
克樹「アイツらは?一緒じゃないの?(・・?)」
嶺亜「拳武は学習塾だから､先に帰った｡颯は部活」
克樹「そっか」
うん?待てよ…これって､チャンスじゃね?
この後､二人きりになって一緒に社会のレポートをやる…｡
そしたら､距離が縮まるじゃん｡
だけど､食堂のお手伝いもしないといけないんだよな｡
俺､看板息子だし｡
嶺亜「克樹｡この後､時間…ある?」
克樹「あるけど…俺､帰って食堂を手伝いたい気持ちもあるし…」
嶺亜と社会のレポートをやるか､食堂を手伝うか｡
頭の中で葛藤する俺｡
どうすりゃいいんだ!?
琳寧「克樹､ちょっと」
克樹「琳寧?村木?」
突然､琳寧に腕を引っ張られた｡
克樹「何だよ…(ーー;)」
村木「本高って､嶺亜の事が好きなんだろ?」
克樹「は?」
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作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年2月12日 23時
