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それから俺は
彼女に付き合って、ちょびちょびと酒を飲んだ。
しかし、思ったより彼女は酔っていなかった。
俺もまあまあ酒は強い方なのだが
彼女はそれ以上にザルだったのだ。
どうやら話を聞けば
彼氏に振られてブルーになっていたところ、
会社に家のカギを忘れて、ヤケ酒をしていたらしい。
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「松川さん」
ふと、名前を呼び覗き込む彼女に
不覚にも、ドキリ、心臓の音が聞こえた。
それまで暗くてよく見えなかったが
すごく整った顔立ちなのが分かった。
…こんな時間に女一人、ねぇ。
「松川さんも、ヤケ酒ですか」
それ、と俺の持つチューハイを指して
楽しそうに笑った。
「…そうかもしれない、」
別に、やましい事は考えていなかった。
ただ、居心地は悪くないな、と思った。
見知らぬ人と外で酒なんて
…と、普通の人ならそう思うだろう。
でも、今、そんな事はどうでも良かった。
「たまにはこういうのも悪くないでしょう?」
笑ってそう言う彼女も
きっと、同じように思っているのだろう。
「私、この場所が好きなんです」
「…どうして?」
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「星を掴めそうな、気がするから」
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るとぴ(プロフ) - 同期になりたい人生だった (2019年8月28日 23時) (レス) id: b607d0f086 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:PON酢 | 作成日時:2018年10月28日 18時