星を掴んだ【松川一静】 (ページ11)

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番外編〈社内で〉ページ11

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時系列が oh…って感じなんですがお許し下さい()

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「一静、一緒にご飯食べよう」

昼休みの食堂。

随分とご機嫌な様子で俺の隣にやってきたA。

「…だから〝松川さん〟ね。」

「あ、そうだった。」

付き合ってることを隠してるわけじゃないけれど

会社では一応…ね？ということで

俺たちは苗字で呼びあっている。

「なんかいい事でもあった？」

「ん～、〝松川さん〟を見つけたから？」

「…そっか」

どうやら彼女がえらくニコニコしている理由は

俺とご飯を食べれる事が嬉しいかららしい。

ほんと単純というか、なんというか。

…まあ、そんなところも可愛いんだけど。

そもそもウチの会社は規模がかなり大きくて

部署も違えば、全くと言っていいほど関わりが無い。

だから、こうして社内で会うことも稀だ。

「Aー！」

「あ、ナオコちゃん」

「一緒にランチ行かない？駅前の」

「あー…えっと、」

明るくて人当たりのいいAは

社内を歩けば誰かしらに声をかけられている。

俺なんかは、背もあるし威圧感があるせいか

むしろ他の社員にビビられているような気がするけど…

その点、Aを羨ましく思うこともあるが

そんな彼女が自分の隣にいることは

俺にとって優越感でもあり、なんとも言えない幸せでいっぱいだった。

「行ってくれば？」

うーん、と険しい表情の彼女にそう言うと

ブンブンと俺に首を振るジェスチャーを見せる。

「…ナオコちゃんごめんね、今日は遠慮しとく」

「そっか！じゃあまたの機会に」

「うん！ありがとう」

だがしかし

Aは少し残念そうな表情を見せつつも

その同僚の誘いを断った。

…なんか、気を遣わせちゃったかな。

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