じゃんぷ夢小説４ (ページ8)

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【八乙女語り】

―――扉が静かに閉まる音がした。

ああ、いのちゃんが出て行ったんだ。

返事もしなかったのは俺なのに、何故だか急に寂しくなって。

でも、なにも言えなくて。

背中に感じる薮の気配が、唯一の心の安定剤。

―――全身が重い

なんでこんなことになったんだろう、と考えてみても、まるで頭が回らない。

だけど、あのとき

――何故だか無性に疲れていて

もういいや、と全てを投げ出そうとしたような、気がする。

「光～？」

背中で、薮が呼んでいる。

「ひっかるさ～ん？」

――なんだかすごく心細くて。

だけどどうしてか、薮と向き合うのが怖かった。

「……勝手に喋ってるからな？」

こほん、と一つ咳払いして、また、話始める。

「色々、考えた。
でもやっぱちょっと最近、話す時間なさすぎたな。
俺らもっと、なんでもない話しよーぜ？
……なんかあるときも、ないときも」

―――薮の声は、穏やかで。

でも少しだけ、震えていた。

―――

「……というわけで、俺の近況です。」

そう言って突然、おどけた口調になった薮。

「ヤバない？」をJUMPに流行らせようとしつこく使っていたら知念にいい加減黙れと言われたとか、山田の弁当の唐揚げつまみ食いしたら、思いの外本気で怒りだしたとか。

そんな話を、ひたすらに一人で語っていた。