じゃんぷ夢小説４ (ページ47)

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【岡本語り】

「なに、泣いてんだよ……」

少し掠れた声がして、驚いて顔を上げる。

――そこには、穏やかな瞳の光くんがいて。

「なっ、いてないっ!泣いてないっ!
そっ、それよりっ、大丈夫？」

「はっ……大丈夫はお前だろ？」

いたずらっぽい笑顔を浮かべ、ゆっくりと体を起こす。
慌てて支えようとすると、そっと手で制された。

「ごめん……。変なとこ、見せて……」

「そっ、そんなのいいのっ!
それより大丈夫？苦しくない？」

テンパりすぎ、と笑う光くんは、俺の大好きな光くんで。

―――しばらく見ていなかった、大好きな、本当に大好きな笑顔。

「……仕事、どう？」

ふと、神妙な顔になって。

「……え？どうって……？
あ、らじらーはね、知念が出てくれてるよ。
聞いた？
ヒルナンデスは大ちゃんが頑張ってる」

「……そっか……」

光くんは小さく俯いて。

「……ごめん、マジで。」

「えっ、大丈夫だってば!
とにかく光くんは、今はゆっくり休んで？」

「……」

光くんは、少しだけ微笑んでくれた。

でも、だめだ。

―――これは、無理してるときの顔。

どう声をかければ良いのか、わからなくて。

話題を変えようと必死に頭をフル回転させた。

「……あっ、そうだっ!
ツアーのセトリ!
ほら、光くんが途中まで作ってくれたやつ、山ちゃんと薮くんがちょっと手入れてくれたの!見る？」

慌ただしくガサゴソとカバンを漁る俺を、光くんはなにも言わずに見つめる。

あれ、おかしいな、見つかんない。

なんだよ、こんなときに限って―――――

「圭人」

それは鋭く、冷たい声だった。

「な、なに……？」

目を合わせるのが、怖い。

「ごめん、そろそろ帰って…
ちょっと疲れた」

「……――――、う、ん……わかった。ごめんね……」

――――顔を上げられない。

光くんは今、どんな顔をしてるんだろう。

散らばった書類を乱暴にかき集め、いそいそと部屋を出た。

ぱたん、と扉を閉めたところで、急に力が抜けて。

手に持っていた書類が、バサバサと床に落ちた。

「……ああ、もうっ……」

1枚1枚拾い集めていると、ふと目に留まった見慣れた字。

「……――――あったよ、もう……っ」

“おー!いいじゃん!これ!”

“珍しいな、光がセトリ組みたいなんて”

光くんが、考えたんでしょ

あんなに楽しそうに――――――

「出ないつもり、なの……？」