じゃんぷ夢小説４ (ページ45)

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【岡本語り】

「し、失礼します……」

恐る恐る扉を開け、中に入る。

小さな窓が一つある、真っ白な部屋。

―――ベットで眠る光くんを見て、なぜだか鳥肌が立って

眠っている姿を見るのは初めてじゃない。
だけど目の前にいる彼は、本当にその、
俺の知っている“光くん”なのかって。

―――白く、儚く。

そんな言葉が正しいのかはわからない。

でも、

血の気をなくした白い肌。

元々細身だった身体も更にひとまわり小さくなった。

―――今にもどこかに消えてしまいそう

不意に、そんなことを思った。

「……んっ、」

そのとき、光くんが小さく身じろぎして。

ぼんやり開かれた瞳が、ゆっくりと俺を捉えたのがわかった。

「、けーと……？」

名前を呼ばれて、少し安堵する。

「そだよ、けーとだよ。」

――――あれ、

一度は確かに俺を捉えた瞳は、いつの間にかまた、宙を泳いで。

「……ごめんね、なかなか来られなくて。調子どう？」

「……、けーと、俺……今日、仕事は……？あれ、収録……」

「え……？」

譫言のようにそう呟いた光くんが、突然かばっ、と布団から身体を起こす。

「ちょっ、光くん？!」

「仕事……!今日大ちゃんと収録……っ!」

「ちょっ、ちょっと待って光くん!落ち着いて!」

崩れ落ちそうな身体を慌てて支えると、異様に荒い呼吸が掌に伝わる。

「、ね、光くん……。大丈夫だよ。
仕事はね、今日はお休みだから。
なんにも心配しなくていいから。」

ドキドキと嫌な音を立てる自分の胸をぎゅっと抑えて。
ふーっと１つだけ息を吐くと、その背をゆっくり擦った。

―――光くんが昔、俺にしてくれたように

強張っていた光くんの身体から、少しずつ力が抜けていくのがわかる。

そっと、その身体を抱くように繋ぎとめて。

―――どうか、落ち着きますように

「け、と……、ごめん……」

掠れた声が聞こえたと思ったら、小さな背中は完全に力をなくして。

ベットに寝かせなくちゃ、と思ったけれど。

「……っ、なんで、っ……」

―――溢れる涙を、もう、止めることはできなくて

もう一度だけ、ぎゅっ、と抱きしめた。