じゃんぷ夢小説４ (ページ40)

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【山田語り】

「このあと飲みに行くから、涼介も来て」

リトラを終えて、一人で向かった雑誌の撮影。

全てを終えて帰ろうとしたら、なぜかさっき別れたはずの知念がいて。
ちらり、俺を見上げてそう言った。

え、とすら言う間も与えられないまま。

畳み掛けるように「マネージャーにも許可も取ったからね。店まで送ってくれるって。あ、明日は9時入りね」と言うだけ言って、俺の前をずんずんと歩く。

「なに、ちぃちゃんどしたのよ？」

こんな知念は久し振りで。

問い掛けてみるも返事はもらえず、仕方なく後についていく。

マネージャーの車でも一言も喋らず、着いたのは知念行きつけだというお洒落な個室居酒屋。

向かい合わせに腰を下ろすと、知念がメニューをすっと差し出してくれて。

「なんか頼めば？
あ、言っとくけど涼介のおごりね」

「え、あ、うん」

それはまあ、今更だ。

そうなんだけど。

店員さんに注文を済ませると、また訪れる沈黙。

もう長い付き合いだから、それが苦になったりはしない……普段は。

「……えっ、と……」

ちらり、知念の表情を伺ったつもりが、ばっちり目があって。

「……なに？」

「えっと……、なんか怒ってます？」

恐る恐る聞くと、知念はハアッ、とひとつため息をついた。

「……あのさあ、何も気付いてないって思ってんの？」

「、え……？」

思わず笑顔を作る。
もうこれは、癖。

「いーよ別に、笑おうとしなくて」

もう一度目が合った知念は、少し困ったように笑って。
テレビでは見るそれとは少し違う、柔らかな笑顔を向けてくれた。

「ちね、ん」