じゃんぷ夢小説４ (ページ26)

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【有岡語り】

「だい、ちゃん」

―――名前を呼ばれ、心臓が跳ねる。

いのちゃんに連れられてやってきた光くんの病室。

そっとベットに近づくと、眠っていた光くんがぼんやりと目を開け、俺たちに視線を向けた。

光くんは一瞬驚いたような顔をすると、少し眉を下げて。

「ごめん、おれ……めいわく……」

酸素マスク越しの、掠れた声。

俺たちが知っている光くんの声とは大分違っていて、また、不安になる。

―――それに光くんは、

俺の目を見ようとしなかった。

「迷惑じゃないけど。すげー心配した」

離れて様子を見ていたらしい高木が、少しだけ、語気を強めた。

「……ごめ、ん」

光くんの目には、うっすら涙が滲んでいて。

「あっ、や、ごめん」

慌てた様子の高木は、どうにも言葉が見つけられないらしく。

ずっと黙っていたいのちゃんが穏やかに口を挟んだ。

「調子、どー？」

「……ん、だい、じょうぶ」

―――少し口角を上げた光くんは、たぶん。

笑ってるつもり、なのかもしれない。

「光くん、あんまり無理しないでね？
……俺たちにできることあったらなんでも言って？」

俺の、精一杯の言葉は

「アリガト……
ごめん、だい、じょうぶ……だから……」

まだ、届きそうにもない――――――