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【八乙女語り】
―――いつから、なんて
俺自身、もうわからなくなっていた。
気がつけば、布団に入っても眠れないことが増えて。
特になにかを考えるわけではなくとも、変に鼓動が早くなったり、どうしてか落ち着かなくて、何度も布団を出て部屋をうろうろしたり。
―――そんなことが始まりで
それからも夜が来る度に、得体の知れない不安や恐怖に取り付かれ、夜が怖いと思うようになって。
それを打ち消すため、がむしゃらにベースを弾いたり、筋トレをしたりしてごまかしてもみたけれど。
―――身体はとうに限界を越えていたらしく
“あんた顔色悪いよ、大丈夫?”
たまたま用事があって会った姉ちゃんは、俺を見るなり強引に病院に連れて行った。
体調やら心配事やら色々聞かれたけど、その日もツアー明けで半分朦朧としていた俺は、もはやなんて答えたかすら覚えていない。
そして処方された、睡眠薬。
そんな薬を出されたことは半分ショックではあったが、でも、これでうまく眠れるかもしれないという安心感はあって。
実際それでしばらくの間は調子が良くなって、気付けば薬を飲むこともやめていた。
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みるふぃ〜ゆ苺(プロフ) - 下のコメントの方に激しく同意です! (2017年11月5日 21時) (レス) id: 00be13f8e0 (このIDを非表示/違反報告)
みく - ヒカのが終わったら知念君のが見たいです。 (2017年10月30日 12時) (レス) id: 13a9f2ae49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽよぽよ | 作成日時:2017年10月30日 0時