じゃんぷ夢小説４ (ページ21)

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【有岡語り】

「光んとこ、行く？」

窺うような、すがるようなその問いかけに、また俺はなにも言えなくて。

「……平気なの？行っても」

代わりに訊ねた高木に、いのちゃんは少し困ったように笑った。

「今は絶対安静。さっき薮が行ってきて、少し話はしたみてえだけど、すぐ吐いちゃって、また寝てるって」

「……え。そんな悪いの」

想像以上の現実に、また少し怖くなって。

「俺もちゃんと聞いたわけじゃねえけど、睡眠薬乱用に近いかんじだったみてー。病気ってわけじゃねえけど、かなり身体弱ってるって」

「―――」

ああそうですか、と簡単に受け止められる程度の関係だったら、どれほど楽だろう。

―――だけど、もう逃げたくない

「……気持ちのほうは？」

気がかりだったこと訊ねる。

「その、薮くんと話したとき、どうだったの？」

「ああ、」

いのちゃんは一瞬視線をさ迷わせて。

「まだあんまり話したくはなさそうだった、って、薮は。」

「……そう……」

―――少しの沈黙のあと、口を開いたのは高木で

「今日はまだ、行かないほうがいいかな」

寂しそうな、悔しそうな、その思いが痛いほど伝わった。

「……ん～」

なにか考え込んでいたいのちゃんが、不意に口を開いたのはそれからすぐのこと。

「いいんじゃねえ？顔くらい見てけば？」

「え？」

それはあまりに“いのちゃんらしい”口振りで。

目を丸くした俺と高木なんてお構いなしに、いのちゃんは淡々と続ける。

「なんかさぁ。色々考えすぎるよりそれが良くねえ？行かなかったら来たことも伝わんねえよ？」