じゃんぷ夢小説４ (ページ17)

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【高木語り】

【今病院ついた。どこ？】

既読マークがついたと思ったら、着信画面に切り替わって。
慌てて通話ボタンを押す。

『伊野尾くん？』

『おー、もう着いたのぉ？』

『うん、今病院の入り口のとこ。どこにいんの？』

『あー、あのねぇ、テラス。
そこから左に真っ直ぐ行って、つきあたりかなー』

『ん、わかった。行くね。』

『はぁーい』

電話を切ると、隣にいたはずの有岡くんの姿がないことに気付いた。

「あ、」

少し見渡すと、ロビー入り口に描かれた病院のロゴをじっと見つめていて。

「有岡くん？」

「えっ、あ、ごめんもう行く？」

「え、あ、うん。」

その笑顔に、どこか違和感を感じて。

そのままやり過ごしてしまうこともできたけど、どうしてか、後悔する気がしていた。

「……」

「高木？」

ちらりと周りを見渡せば、ロビーの片隅に手頃なソファを見つけて。

「そこでお茶飲んでかない？」

「え？」

「あ、伊野尾くんね、今買い物行ってるみたい。」

「……？」

―――――我ながら下手な嘘だと思った

一瞬考えてから、わかった、と笑った有岡くんは、やっぱりなにか抱えているようで。

―――このままにはしたくない。

なに話すかなんて、なんも考えてねえけど。