じゃんぷ夢小説２ (ページ47)

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分かれ道ページ47

「ねえ!これ見て!」

先頭を歩いていた圭人が、突然大声をあげた。

「え、どうした？」

高木が後ろから顔を覗かせる。
裕翔も声に気付き、小走りで駆け寄った。

「足跡……？」

覆い隠していた茂みをかき分け圭人が指すほうを見ると、それは確かに、真新しい足跡だった。
茂みや水溜まりによって所々途絶えているものの、３人が来た方向と反対側に向かって続いている。

「うそっ、まじ？追いかけようぜ!」

高木の声は弾んでいた。
雲をつかむような捜索の中で見つけた光。
この光は、確実に２人に続くはず。

「うん、行こう!」

圭人が足早に駆け出す。
高木もそれに続いた。

「ちょっと待って」

制したのは、裕翔だった。

「なんだよ、裕翔」

何かをじっと考え込んでいるようなその素振りに、高木は少し苛立った。

「多分…」

「あ？」

「多分、２人、一緒じゃないと思うんだ」

「「え……？」」

思わぬ言葉に戸惑う２人に、裕翔は真剣な眼差しで続けた。

「知念と光くんだよ？
あの雨から、まだ半日も経ってないのに、動くかな？」

「どういうこと……？」

「あんな慎重な２人が、この短い時間で、動くことを選ぶと思えないの。
待つんじゃないかな、俺らが気づかないはずないのも、わかるだろうし」

「…えっ、じゃあ、一緒じゃないって？」

圭人の問いかけに、裕翔は一瞬答えに詰まった。
だが、意を決したように顔をあげ、言った。

途切れ途切れの足跡は、確かに２人分なのか定かではなかった。
だから、「そうでない」可能性もある。
だが――――――

「どっちかが、怪我して動けない状態なんじゃないかな……」

「はっ…」

一瞬、時が止まった。

しかし、それを打ち破るように裕翔は続ける。

「その怪我が重くて、待つ余裕がなくて…ってことだって考えたら、説明がつく。
1人はこの近くにいるんじゃないかと思うんだ。」

その話には説得力があった。

しかしそれが事実であれば、事態は一刻を争う。

「それと、もしかしたら…もう１人も、怪我してる。」

「……なんで…」

泣き出しそうな圭人に、裕翔はゆっくりと近くの岩を指した。

―――それは、血のついた指の痕

大きく目を見開いた高木は、それをじっと見つめると静かに口を開いた。

「―――わかった。
俺がこの足跡追う。２人はこの近く探して。どっちか見つけたら、連れてテント戻って」

――――必ず助ける