じゃんぷ夢小説２ (ページ29)

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闇と光とページ29

「だーいじょぶだって、もう熱も大分下がったし、すぐ良くなるよ」

努めて明るく言う、有岡。

分厚い雲が、どんよりとかかっていた――――

一通り高木の手当てを終えた山田は、彼の隣に静かに腰掛けた。

――責任感の強い彼が今なにを考えているか、10年以上苦楽を共にしてきた有岡には、手に取るようにわかっていた。

「山田」
「ん…？」

その声は、有岡が知っている中で最も優しく、儚げであった。

「俺高木見てるからさ、ちょっと休みな？」

「ああ、…」

遠くを見つめながら呟いた山田は、大きく伸びをすると、滲む涙を隠すように笑った。

「大ちゃん俺さあ―――」

「…ん？」

「JUMPにいていいのかなあ…―――」

時が、止まった。

山田の大きな瞳から、涙が溢れる。

「…どうして？」

有岡は、つとめて優しく、聞いた。

「裕翔のこと突き落として、知念も、圭人も苦しめて…雄也にも、こんな無理させちゃってさ…――俺、なにやってんだろね」

――彼が背負っていたものは、考えていたよりずっと重かった。

今にも崩れ落ちそうなその姿を、抱きとめてやりたい、とさえ思った。

だが、まずは思いを全て吐き出すことが、彼のためになるのではと思い直し、有岡はその先の言葉を待った。

「俺、さ、」
「…うん」
「わかんねーの、なんかもう」
「…うん」
「今、どうすんのがいいのか…なにが正解なのかって」
「…」
「なにやっても、みんなに迷惑かけてばっかで」
「…」
「マジで嫌になる、ね…―――」

そう言って、自嘲気味に笑う。

「俺、今までもずっと、こうだったのかな…」

言葉を探していた有岡だったが、山田のその言葉をきっかけに、表情を変えた。