じゃんぷ夢小説２ (ページ19)

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雪解けページ19

「やまちゃん、大丈夫だよ、裕翔いるよ？泣かないで？」

圭人が必死に慰めている。
だが、山田には届いていそうもなかった。その瞳にはまだ色がない。

そのときだった

一瞬、なにが起きたかわからず、裕翔は目を丸くした。

――――圭人の強烈な平手打ちが、山田の頬に飛んだ。

大きく見開かれた山田の瞳が、ようやく圭人を捉えた。

「けい、と…？」
「しっかりしてよ、もう！!
大丈夫だよ!裕翔も、俺も、みんなもちゃんといるから…
やまちゃんがそんなんじゃ、俺もう○＆＃￡＊＠●↓」

今までに見たことのない男らしい顔つきでそう言った圭人だったが、大きな瞳にはどんどん涙が溜まっていき、最後まで言い終わらないうちにボロボロ溢れ落ちた。
ある意味“彼らしい”その姿に、ようやく色を取り戻した山田の瞳は、これまた今までに見たことのない優しかった。
そして、圭人の涙をそっと拭い、言った。

「ごめん、圭人…ありがとう…」

「あ゛や゛ま゛る゛な゛ら、お゛れ゛じゃな゛く゛て゛、ゆ゛う゛と゛…」

突然名前を呼ばれ驚いた裕翔だったが、もう一度山田に謝ろうと言葉を紡ぐ。

「やま、俺あの、……」
「違う……
俺が、俺が悪かったの。
ごめん。裕翔、本当にごめん……」

大泣きが止まらない圭人と、困ったように笑う二人に、八乙女の雷が落ちるまで、あと20分。