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「A、すまなかった…僕は」
「ねぇ、イライ」
イライの胸から顔を離したAは、自分の背よりも高い位置にあるイライの顔を見上げた。
謝罪を告げる彼の言葉を遮り、Aは腕を伸ばしてイライのフードを取り払い、目元の布を外す。
されるがままのイライは、さらけた目元に少し居心地悪そうにするが、しっかりとAの目を見据えていた。
「イライ…やっと私のこと見てくれた…」
ドキリと胸が跳ね上がる。
「今まで私の目を見てくれてなかったでしょう?」
「そんなこ……」
とはない…と続けようするが、Aの目はなんでも見透しているかのように力強かった。
「すまない…」
それに負けたイライは素直に謝る。
「理由を聞いてもいい?」
未だに抱き合っているので、体を通じてイライが強張ったのを感じたAだが、直接イライの口からどうしてもその理由を聞きたかったので、それに気付かないふりをした。
それに根負けしたイライは、天を仰ぎ観念したのか少し間を置いて話始めた。
「…言っても、笑わないでくれるかな?」
「事によるかな?」
「A」
「ごめんなさい…お願い、教えて?」
Aの小首を傾げる仕草は脅威だ。
多分わざとなのだろう、その計算されたものはイライだけじゃなく、だれにでも通用するから質が悪い。
その心臓に悪い仕草を見ながら、渋々といった感じで話を続ける。
「昨夜の飲み会で話していた夢の事なんだが……」
夢…それは、Aが飲み会の席で話していた、イライとのベッド上の出来事。
あくまで夢の中の話しなので、実際にはそんな事実はない。
その話題が出たことで、Aはまた夢の内容を思い浮かべながら、イライの次に出てくる言葉の内容に驚きを隠せないでいた…………
━━━━…………
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虚無僧(こむそう)(プロフ) - HIROさん» ご感想ありがとうございます!飛される時のイライ君の声が好きです。コメント本当にありがとうございました!やる気パワーが満ちてきます\(^o^)/ (2019年6月23日 3時) (レス) id: bf4e788763 (このIDを非表示/違反報告)
HIRO(プロフ) - すごい好きでした……!美智子さんが怒ってくれてイライくん飛ばすとことか最高です(_.ω.)_:∵グハッ!! (2019年6月22日 20時) (レス) id: 1744d7d8f6 (このIDを非表示/違反報告)
虚無僧(こむそう)(プロフ) - はるさめさん» 御感想ありがとうございます。久々の更新になりましたが、こうしてコメントをいただけると、書いて良かったと報われます( ;∀;)ありがとうございました! (2019年6月11日 15時) (レス) id: bf4e788763 (このIDを非表示/違反報告)
はるさめ(プロフ) - 最高でした...!最初はどうのなるのかと思ったんですがラストのイライくんめちゃめちゃカッコよかったです...。ページを進めるのが楽しみでスラスラと読めました。とても好きです。 (2019年6月11日 1時) (レス) id: 8a587298f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:虚無僧(こむそう) | 作成日時:2019年6月11日 1時