Focus 2

気づき ZICO side ページ11

突然だった


UK「(ノック)…ジホ？ちょっといい？」

ZC「ユグか？鍵開いてるから入れよ」


扉をあげたユグの顔は明らかに沈んでいて

何かあったんだろうって事は誰でもわかった


ZC「どした？お前がそんな顔してるの珍しくねえか？？」


俺が促した手に従ったユグが静かにベッドに座る

相変わらず顔はあげねえわ

表情死んでるわで

正直心配になる


UK「ジホってさ」

ZC「？」


油断してた

バカみたいに


UK「Aの事どう思ってるの？」


ユグの言葉に

"ただの幼馴染だよ"って答えようとしたのに

なぜか頭が真っ白になった


UK「俺は好きだよ」


声が出ない俺を置いてユグが言葉を重ねる


UK「Aの事大好きだよ。1人の女の子として」


そう言われた瞬間

俺の頭にはユグの隣にたつAが浮かんだ

それと共にズキリと痛む胸


UK「ジホも好きなんじゃないの？Aの事」

ZC「は…」


いつの間にか下がっていた顔を上げると

小さな苛立ちを帯びたユグと目が合う


UK「キョンもAの事好きだから」


こいつの言葉に頭がついてこない

キョンもユグもAの事が…好き

じゃあ俺は？

ただの幼馴染？

じゃあこの胸の痛みは…？


UK「ジホが別にAの事思ってる訳じゃないならいいや」

ZC「んあ？」


ユグが急に引き下がったのに驚いて

素っ頓狂な声が出てしまう


UK「だから。ジホはAの事幼馴染だと思ってるんでしょ？
ならジホは俺の恋の手助けしてよ」

ZC「は…？」


いや違う

俺だってAの事…

ガキの頃思ってただけじゃなくて

今の俺だってAが

好きだ


UK「知りたいこと知れたから、俺リビング戻るね？」


"お邪魔しましたー"何てさっきとは全然違うテンションで出て行こうとするユグを無言で引き止める


ZC「Aは誰にも渡さねえから」


へらっと笑ってた顔から表情が消える


UK「それどう言う意味で言ってるの？」

ZC「そのままの意味だよ」


しばらく見合う俺ら

するとまたユグの顔に表情が戻る

…てかこいつ何で笑ってるんだ

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