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「何のお礼してくれる？」
「まだ予約だけじゃん」
「でも何もなしに頑張れないなあ〜」
わざと耳元で囁いてみたら、真っ赤な顔で
何でもするから、とするり抜け出された。
「じゃあ恋人になって」
ぱちり、家中が無音になって、
いのちゃんの瞬きが弾ける。
可愛くて可笑しくて、あははと笑ったら俯いちゃった。
ゆっくりその頭を撫でる。
ねえもう分かったでしょ。
多分いのちゃんが今までしてきた恋愛とは違うけど、
でも誰よりもいのちゃんを大事にしてる自信がある。
してく自信がある。
先を憂いて、セーブしなくて良い恋を俺としようよ。
「………それ俺良いことばっかなんだけど」
え、今なんて言った？
いつもの、余裕たっぷりで俺を翻弄しまくる
ねこちゃんはどこへやら。
みるみるちっちゃくなっちゃった
いのちゃんがぽつり呟く。
「重くないから、そばに置いて」
って。
「……重くて良いから、離れないで……」
言ってから、あ、俺泣いちゃいそう、と思ったら、
がばりと抱きついてきた。
なる、裕翔の恋人になる、と
頭をすりすりするしてくるもんだから、
もうホント可愛くて可愛くてぎゅっと抱き締め返した。
離れないよ、って答えてくれてるみたいで嬉しかった。
・
ああ薮くんにもお礼しなきゃなあ。
リミッターが外れたいのちゃんとのキスは
甘くて甘くて堪らない。
そのままベッドに絡れ込みそうになったけど、
頑張って踏み止まって、スマホに手を伸ばした。
なんだかんだ言いながら、話を訊いてくれた功労者。
いっつも結局多く出してくれてるから、
今度は俺が全部出そう。
良いとこ連れてってあげないとなあ。
「ねこちゃん、ちょっとだけ待ってね」
善は急げだ。電話をかける。
「もしもし？ね、今週どっかで会えない？」
『何だよ、こないだ飲んだばっかじゃん』
「ちょっと早い誕生日プレゼント渡したくて」
何だよそれ、って笑い声が聴こえてくる。
それからちょっと不満げな声で、
『俺の誕生日12月なんだけど』
と、返ってきた。
- 第二章 恋の話 中島の場合 - fin.
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ponpoco(プロフ) - しろくまさん» しろくまさま、ありがとうございます(;_;)しつけ糸くらい頼りない伏線でしたが、楽しんでいただけていたら嬉しいです。個人的にも色んなybhkさん書けて楽しかったです。笑 しろくまさまのアツアツも楽しみにさせていただいてます〜！ (2021年5月26日 0時) (
レス) id: 3a76e6c7e4 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - 完結おめでとうございます。何度も最初から読み直しました。ひかちゃんのミステリアスな雰囲気が素敵なお話で、とっても楽しめました。タイトルとストーリーのリンクもさすがです！！次回作も楽しみにしています。 (2021年5月17日 0時) (レス) id: 690493538b (このIDを非表示/違反報告)
ponpoco(プロフ) - ナギ.×さん» 初めまして。勿体ないお言葉…ありがとうございます！物語はぼちぼちクライマックスです、結末まで、楽しんでいただけたら嬉しいです！ (2021年4月23日 23時) (レス) id: a43e57129c (このIDを非表示/違反報告)
ナギ.×(プロフ) - 文章が凄く好きです。更新楽しみにしてます。 (2021年4月20日 21時) (レス) id: d0b22c7bf3 (このIDを非表示/違反報告)
ponpoco(プロフ) - しろくまさん» しろくまさま、ありがとうございます。今回いろんな空気のybhkを書きたくて、学生にリーマンに、って欲張ってしまってます。笑 楽しんでいただけたら嬉しいです！（私はしろくまさまのアツアツにドキドキしてます〜笑） (2021年3月1日 21時) (レス) id: e5d2a264c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ponpoco | 作成日時：2021年2月28日 13時
