僕の奥さんです ページ25
......ん
「...Aっ、Aっ」
アイツが、呼んでる...
「...う、ん...」
「Aっ！」
ん、チャンミン...
今にも、泣きそうな顔してる...
「目覚ましたか？」
「ちょっと大丈夫？」
「おい大丈夫か？」
「A...よかった」
「...チャンミン、痛っ...！」
「どこか痛むんですかっ？」
「肩が...」
「肩...？倒れた時にぶつけたんですね」
倒れた...？
そうだ...
さっき立ち上がった瞬間、急に目眩がして
「他に痛いところは？」
抱き抱えている私の体を
頭から足の先まで
くまなく見ようと視線を泳がせるアイツ
「大丈夫だよ...」
「病院連れてくか？」
病院？
「大丈夫です、すみません...」
そう言って立ち上がろうとしたら
「Aさん、抱き上げますよ」
アイツが私を横抱きにした
「ちょっ...チャンミン大丈夫だよ」
慌ててその腕から下りようともがいた
「チャンミンだって...」
「どーゆう事？」
「シム君も呼び捨てにしてたよね」
私達を取り囲む人ごみの中から
そんな声が聞こえてきた
「ダメです
また倒れたらどうするんですか」
アイツはそう言って私を言い聞かせると
そのままになったトレーや倒れたイスに目をやった
「すみません。
彼女を連れていきますんで、後お願いしてもいいですか？」
「すみません、お願いします...」
私からもお願いした
「あ、あぁ...」
「わかった」
「ありがとうございます。それから三崎さん
すみませんけど、Aさんの鞄を取って貰ってもいいですか？」
「...え？鞄？あぁこれね」
「はい、ありがとうございます」
三崎さんから鞄を受け取った
「すみません、三崎さん...
ありがとうございます」
私の言葉に、三崎さんは一瞬眉をひそめ
「シム君...ちょっと聞きたいんだけど
竹内さんとシム君は...」
私とアイツの関係を聞いてきた
アイツは一度私の顔を見てから
三崎さんの方を向いてはっきり口にした
「Aさんは、僕の奥さんです」
アイツの言葉に、三崎さんだけじゃなく
その場にいた人全員が固まった
そんな皆を他所に
「じゃあすみませんけど、後お願いします」
アイツはそう言って
私を抱えて歩き出した
「え？二人は結婚してるの？」
「信じられない」
「あの二人夫婦だったのか...」
「でもシム君
僕の奥さんだってはっきり言ったよね」
大事そうに私を抱えるアイツの腕の中で
そんな声が聞こえてきた
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作者名：ami
| 作成日時：2013年7月19日 13時
