「ん〜っ」 ページ15
「やっぱり、聞いてたんですね」
「そうだよ？だから...
チャンミンに見られたくないの、水着姿を...
お願い、手を離してくれる？」
「イヤです」
イヤですって...
力一杯手を振りほどこうとするけど
びくともしない
「離してっ！」
「イヤだ」
「離してよっ！」
「...Aっ！」
もがく私にアイツが怒鳴った
ビックリして大人しくなった私
その手首を
ようやく離したアイツは
「大声出してごめんなさい...」
零れる涙を優しく拭って続けた
「Aさん、聞いて下さい...
確かに三崎さんの事を理想だって言いました。
でもそれだけです」
「...それだけ？」
「はい、三崎さんを見ても
ドキドキしないし触れてみたいとも思わない。
僕が触れてみたいと思うのは...」
思うのは...？
アイツの右手が
胸の真ん中に付いてる水着のリボンに触れた
「Aさんだけです...」
チャンミン...
「僕をドキドキさせるのは...」
させるのは...？
その手が今度は
私の手を自分の胸へと引き寄せた
「Aさんだけです...(笑)」
チャンミン...
アイツの胸に触れている手から伝わる鼓動が
アイツが嘘をついていない事を教えてくれた
「いつだって、僕をこんなにドキドキさせるのは...Aさんだけなんです」
嬉しくて...
「...ッチャンミン！」
私は泣きながら
アイツに抱きついた
「大好きっ...！」
「僕も大好きですよ」
ぎゅうっ...
そのままアイツに包まれる
...かと思ったら
「だから...
もう一度見せて下さい」
そう言ってゆっくり体を離したアイツの右手が
再び私へ伸びた
指先で軽く胸元のリボンに触れ
「このリボンが可愛いです」
おしりに付いてるフリルに触れ
「このフリルが可愛いです」
両手で優しく私の頬に触れ...
「僕の好きな紫の水着を着てるAさんが...
可愛くて堪らない」
チャンミン...
「ん〜っ！(笑)」
アイツが笑いながら
私の鼻先に自分の鼻をこすり合わせた
チャンミン、大好き...
ゆっくり目を閉じた私に
アイツの優しいキスが
何度も...何度も...
降り注いだ
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作者名：ami
| 作成日時：2013年7月19日 13時
