どこまでも正直なアイツ ページ32
「ふぅ...」
ベッドのヘッドボードに寄り掛かり
アイツの若干(いやかなり)ハードな看病ぶりに
一息ついていると
「Aさん、具合はどうですか？」
アイツが部屋に入ってきた
「うん、お陰様で
すっかりいいみたい、ありがとう(笑)」
それを聞いて嬉しそうに笑ったアイツは
ベッドの端に腰を下ろした
「チャンミン...ごめんね」
「何がですか？」
「せっかくの誕生日に
熱なんか出しちゃって...」
「そんな事気にしてたんですか？」
「そんな事じゃないよ。
チャンミンが色々計画してくれてたの...私知ってるよ？」
「Aさん...」
「なに？」
「僕は今日すごく幸せでした」
「幸せ？」
「はい。Aさんが苦しんでるのを見るのはすごく辛かったし、できるなら代わってあげたい...本気でそう思ったけど」
「けど？」
「けど...今日一日Aさんを看病して
Aさんをこんな風に看病できるのはこの世で僕一人しかいないんだ...
そう思ったら...堪らなく幸せでした」
アイツがそんな事を思いながら看病してたなんて
考えもしなかった
だからだったんだね
「僕がやってあげる」
そう言って譲らなかったのは
「Aさんは辛かったのに
こんな事言うなんておかしいですよね？
でも...これが僕の正直な気持ちです」
少し不安気に話す
どこまでも正直なアイツがすごく愛しい
だから...
「チャンミンがおかしいなら私もきっとおかしい...だって、そう言われて今すごく嬉しいから」
「「・・・・」」
しばらく二人で見つめ合って
「「...プッ(笑)」」
声を重ねて、笑った
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作者名：ami
| 作成日時：2013年7月19日 13時
