ランチの行方2 ページ29
「イテテテ...」
「大丈夫ですか？」
左頬に手を添える私の隣
ミリちゃんもしゃがみこんでくれた
「すみません！
前をよく確認してなくて」
そう言って同様にしゃがみこんできたのは
取引先のネックホルダーを首から下げた男性
足元には大きな段ボール
どうやら、これを抱えて階段から降りてきたところで
運悪く私と出会い頭にぶつかってしまったらしい
「こちらこそすみませ・・・」
「あ！」
私の声に被せるようにミリちゃんが声をあげた
「Aさん、手！」
手...？
「血が出てる」
「え...」
そう指摘されて確認すると
頬に添えていた左手の指先にうっすらと血が
「ホントだ...」
「段ボールが当たったんですね」
「あぁ、ホントすみません！」
男性も心配そうに顔を覗き込んできた
いやいやそんなに見ないで、恥ずかしい
慌てて顔を背けた
「だ、大丈夫です。
こんなの絆創膏貼っとけば治りますから」
「そうですか...？」
「ええ」
依然として困惑気味の男性と
「もぉ、Aさんてば！」
なぜかご立腹のミリちゃん
「じゃあ、何かあったらこちらへ」
「ホント、気になさらないで下さい」
「でも...」
「受け取っておいたらどうですか？」
「あ、じゃあ...」
ミリちゃんに促され
とりあえずこの場を収める為にも
差し出された名刺を受け取った
「ほらAさん。
お手洗いに行きますよ、絆創膏貼ってあげるんで」
「え、ありがとう(笑)」
最後まで深々と頭を下げる男性を見送り
再びミリちゃんと歩き出す
「痕、残らないといいですね。目の下だし」
「大丈夫だよ、これくらい」
かすり傷だって
「だからぁ、甘くみない方がいいですよ。
ちゃんとケアしないと色素沈着しますからね」
なるほど
ミリちゃんがご立腹だった理由はコレか
「流石ミリちゃん、女子力高いね」
そう、彼女ミリちゃんは
所謂女子力高い系女子なのだ
私と違って
「何言ってるんですか。
お互いもう若くないんだからちゃんとケアしないと」
若くない...
「...確かに(笑)」
年下のミリちゃんはまだしも
私はね、アラサーですしね
「はい、コレで良し」
「ありがとう」
ミリちゃんが貼ってくれた絆創膏は
治りが早いと噂の代物で
ちょっと値が張るそれは
やっぱり私とは無縁の物だった
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すぐり(プロフ) - いつも勝手に読んでおりますｍ（__）ｍ元々ﾁｬﾐﾍﾟﾝの自分（ｱﾗﾌｨﾌ…）ですが、このﾁｬﾝﾐﾝが他の作者さんの書かれた作品も読んできた中でも ずば抜けてｶｯｺ良すぎて…読みながら心臓ずっと握られてる気分です←いい意味で♪この作品に出合えて良かった♪ (2021年11月15日 13時) (
レス) id: 2b78457879 (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - はなまるさん» はなまるさん、こんばんは。励みになるお言葉ありがとうございます。子供ができた時の彼！考えてもみなかったですが、言われてみればいつかそんな時も来ますよね、こんなにラブラブなら(笑)これだというお話が何か浮かびましたら形にさせて下さいね。 (2021年7月20日 20時) (レス) id: abcc065ec9 (このIDを非表示/違反報告)
はなまる(プロフ) - はじめまして。単語選びのセンスや描写の表現等、すごく細かくて楽しく読まさせていただいてます。静かな彼の人を想う気持ちにドキドキしてます。子供ができた時の彼の反応がみたいです。 (2021年7月20日 19時) (レス) id: 84ab9f280c (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - おちゃめさん» おちゃめさん、殺伐...確かに早くコロナも終息して欲しいですね。彼チャンミンに関しては似たり寄ったりなお話しか書けず楽しんで頂けるか不安でしたが、そう言って頂き安心しました。こちらこそいつもありがとうございます。 (2021年7月3日 20時) (レス) id: abcc065ec9 (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - 千衣さん» 千衣さん、ニヤけて頂けましたか？嬉しい！ありがとうございます。新婚さんという事で、幸せなエピソードしか浮かびませんがお付き合い頂けて嬉しいです。 (2021年7月3日 20時) (レス) id: abcc065ec9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ami
| 作成日時：2019年7月7日 20時
