天晴れな友人 ページ9
それから数日経ったある日のこと
「やっほ、具合はどう？」
こんな私にも、友達と呼べる人はちゃんといて
彼女ミホはその内の一人で
数日前から胃潰瘍で入院し
今日は昼休みを利用して
同じ敷地内にある病院に二度目のお見舞いに来ていた
「どうもこうもこれ見ればわかるでしょ？
元気なように見える？」
相変わらず点滴のチューブはぶら下がっているけれど
「うん、凄く」
「うっわ、信じられない！
もしアンタが入院したら目の前で何か食ってやるんだから！」
「ダイエットできてよかったでしょ？(笑)」
「まだ言うか」
彼女とは小学生の時からの付き合いで
友人の中でも特に気兼ねなく付き合える存在
「ふふっ、まぁまぁ(笑)
ゼリーなら日持ちもするし、大丈夫かと思って持ってきた。食べれそうなら食べて？もしダメならいくみにでも出してやって」
いくみとはもちろん共通の友人の一人
高校の同級生で
甘いものには目がないスイーツ女子だ
「あ、もしかしてジュエルの？
高かったでしょ、ありがと(笑)」
「ん(笑)」
美味しいと評判のお店のゼリーを
ベッド横の冷蔵庫にしまった
.
「もうさぁ、ホント毎日暇でやになっちゃう」
窓際のイスに腰掛けた途端、こぼれる愚痴
バリバリのキャリアウーマンであるミホなら無理もない話だけど
「いい機会だと思ってゆっくりしなよ」
「まぁね。でもさ...」
「ん？」
「この病院、いい男がいないのよ」
「...は？」
いい男？
「だからぁ、先生にいい男がいないの」
「...アンタ、マジで言ってるの？」
「当たり前じゃない！」
当たり前って...
楢崎さんじゃあるまいし、思わず呆れ顔
「だってこっちは胃に穴まで開きそうになったのよ？そんな事でもなきゃやってられないわよ」
我が友ながら
天晴れというか逞しいというか
「でもね、諦めるのはまだ早いわよ」
「...何で？」
ニヤリと含み笑いをしたミホに
呆れながらも一応聞いてみる
「どうやら、ここに赴任するはずだった先生が入院してるらしいのよね」
「入院？何で？」
「いや、詳しい事はわからないんだけど
とにかくその先生がかなりのイケメンらしいの」
イケメンて...
そーいえば楢崎さんも
いつだか騒いでたっけ、そんな様な事を
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ami(プロフ) - まこさん» まこさん、夏目漱石のエピソード、素敵ですよね。流石偉人は違います。妄想当初はもっとムードある流れで使おうかと思ったのですが、気付いたらこんな感じに(笑)拾って頂けて嬉しかったです！ありがとうございます。引き続きお付き合い下さいね。 (2021年7月14日 17時) (
レス) id: abcc065ec9 (このIDを非表示/違反報告)
まこ(プロフ) - amiさん！更新ありがとうございます。まさか。ここで大好きな夏目漱石の訳に会えるなんて泣素敵ー！これからも楽しみにしています。 (2021年7月14日 16時) (レス) id: c043fdfdb9 (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - tamaさん» tamaさん、切なさ感じて頂けて嬉しいです。バンビはどこへ行ってしまったのか。今後の更新で明らかにしていきますね。お話に共感して下さり励みになります。 (2021年7月6日 15時) (レス) id: abcc065ec9 (このIDを非表示/違反報告)
tama(プロフ) - 切ない…バンビどこ行っちゃったのかな。 (2021年7月6日 0時) (レス) id: 2b3dad8b2a (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - 千衣さん» 千衣さん、それはもう「人にあらず」でしょうか(笑)悪の経典は観てないですが。←更新楽しみにして下さって励みになります！ありがとうございます。 (2021年7月5日 22時) (レス) id: abcc065ec9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ami
| 作成日時：2018年1月16日 1時
