深愛10 ページ10
「わぁ、すげぇ(笑)」
そしてその週の木曜日
約束通り先生とお花見に行った
母にも手伝って貰って作ったお花見弁当を前に
頬を緩める先生
「すげぇお花見っぽい」
「...(笑)」
ネットでレシピを調べ
先生の言うように
いかにもお花見っぽいお弁当を作った
...彩りにも気を付けて
先生にがっかりされないように
「うん、味も美味い(笑)」
カラフルなオープンいなり寿司を頬張って
目を細める先生にホッと胸を撫で下ろす
「それにしてもすごい人ですね」
芝生で覆われた公園
今日は平日なのに、私達の周りにも
シートを広げてランチを楽しむ人で溢れている
「週末はこんなもんじゃないよ」
「そうなんですか？」
「うん」
そう言い切った先生に
モヤモヤとした想いが込み上げる
既に経験したかのような口ぶり
そしてその相手は、水無月さん...？
彼女のお花見弁当の相手が気になって
気付くとこんな事を口にしていた
「せ、先生はっ...
以前もこうしてお花見した事があるんですか？」
それに一瞬目を丸くした先生は
じっと私を見つめると言った
「あるよ」
「そう、なんですね...」
「うん」
ここで初めて、自分がやや前のめり気味に
話していた事に気が付いた
ペタンと地面に着くお尻
相手は水無月さんだと決まった訳ではないのに
それをはっきり確認するのも怖い
気になるけど知りたくない
「その指、どうしたの？」
するとマリネの海老に箸を伸ばした先生が
私の左手の人差し指を見てそう言った
「こ、これは...」
「昨日はなかったよね？」
思わず絆創膏が巻かれた指を隠した
「もしかして、コレ作るのに？」
「あっ...」
原因を見透かされて俯いた
お弁当を作るのに指を切ったとか恥ずかしい
水無月さんは
あんなに綺麗な花形を作っていたのに
私は指まで怪我をして...
「...ッ」
恥ずかしくて情けなくて
顔を上げる事が出来なかった
「今日はこの後予定ないよね？」
「え...」
不意にそんな事を言われて顔を上げた
依然として箸を伸ばす先生の
伏せた目元を見ながら答える
「...はい、大丈夫です」
お花見以外の予定は決まっていなかったけど
先生とのデート
ちゃんと夜まで空けてある
「なくなるよ？」
「え...」
「お弁当」
「あっ...」
チラッとこっちを見上げた先生に
慌てて箸を取った
「...フッ(笑)」
それに微笑んだ先生の想いを知るのは
二人きりになってから
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神鹿(プロフ) - 見つけられました！ありがとうございます！ (2021年9月2日 23時) (
レス) id: 874191ca7a (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - 神鹿さん» 神鹿さん、私の作品ページから飛べませんか？出来ないようであれば神鹿さんの設定R18作品を読めるように変える必要があります。 (2021年9月2日 8時) (レス) id: d1c1872a15 (このIDを非表示/違反報告)
神鹿(プロフ) - スミマセンが 別部屋へは どうやったら読みに行けますか？ (2021年9月1日 22時) (レス) id: 874191ca7a (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - はるさん» はるさん、嬉しいお言葉のオンパレード！感激です。長らく放置していて気がかりだったお話を完結できて、私もほっとしています。一緒に楽しんで下さり、こちらこそありがとうございました。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: d1c1872a15 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 最後まで、ドキドキしながら読ませて頂きました。ありがとうございました。amiさんの言葉使いが大好きでした。終わり方も、ほっとする？爽やかな？心が明るくなる様なエンディングで、何度も読み返したい作品です。本当にありがとうございました。 (2021年8月30日 10時) (レス) id: 533b71ddc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ami
| 作成日時：2017年9月18日 12時
