深愛43 ページ43
結局私が下した決断は
新たに浮かんだ考え
伊勢谷先生を逆に脅す事
もし先生との事をバラせば
どのみち周りに知られるのは同じなので
私も先生との事をネタに
伊勢谷先生から脅された事をバラすと伝えた
そんな事が知れ渡れば
伊勢谷先生にとっても都合が悪いはず
自分でも大それた事をしていると思ったけれど
必死だった
「なぁんだ、案外賢いんだね 君
度胸もあるし、ますます惜しいなぁ(笑)」
ただ私と違い
そんなやり取りさえ楽しむ先生と一緒に働くのは
心身的にかなりの苦痛で
前向きに頑張ろうと思えば思う程
次第に体はいうことを聞かなくなり
気付いた頃には仕事を休みがちになっていた
そんな時だった、先生が家に来たのは
日曜の昼過ぎ、突然の事に
慌ててベッドから体を起こした私の元へ
やって来た先生
目線を合わせて跪くと言った
「最近...仕事を休みがちだけど
何かあったのか？」
まさか先生が
部屋の窓から私の様子を窺っていたとは知らず
戸惑う私に先生は続けた
「もしかして...伊勢谷のヤツか？」
「...ッ」
その名前を聞いた途端
動揺して微かに体が揺れた
「やっぱり...」
案の定先生に気付かれてしまった
内緒にしていたかったのに
「...で、何があった？
大丈夫、アイツの噂は知ってる」
だから話せと
そう言っているの...？
「...A？」
先生が俯いた私の顔を覗き込んだ
...ダメ、口が裂けても言えない
先生との事で脅されただなんて
「どうしても、言えない？」
「私が、悪いんです...」
言いながら布団を握り締めた
私がもっとしっかりしていれば
こんな風に心配を掛ける事もなかった
「大丈夫です
ちゃんと仕事には行きますから...」
妹尾さんも心配しているし
何より迷惑を掛けている
「...そ、わかった
とにかく今日はゆっくり休んで」
「はい...」
俯いたまま頷いた
「それからちゃんと食べろ」
「え...」
「痩せすぎ...」
体重は5キロも減っていた
「お母さんも、心配してるから」
先生をここへ通したのは母だった
「じゃあ...」
最後にそう言って立ち上がった先生の足が
視界の端から消えた
...パタン
静かに閉まるドア
「...ッ」
その途端、涙が溢れ
布団にいくつもシミを作った
理由はどうであれ
久しぶりに先生に会えて、声が聞けて
嬉しかった
でもそれだけではない
もう何の涙だかわからない涙が
後から後から溢れて、止まらなかった
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神鹿(プロフ) - 見つけられました！ありがとうございます！ (2021年9月2日 23時) (
レス) id: 874191ca7a (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - 神鹿さん» 神鹿さん、私の作品ページから飛べませんか？出来ないようであれば神鹿さんの設定R18作品を読めるように変える必要があります。 (2021年9月2日 8時) (レス) id: d1c1872a15 (このIDを非表示/違反報告)
神鹿(プロフ) - スミマセンが 別部屋へは どうやったら読みに行けますか？ (2021年9月1日 22時) (レス) id: 874191ca7a (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - はるさん» はるさん、嬉しいお言葉のオンパレード！感激です。長らく放置していて気がかりだったお話を完結できて、私もほっとしています。一緒に楽しんで下さり、こちらこそありがとうございました。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: d1c1872a15 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 最後まで、ドキドキしながら読ませて頂きました。ありがとうございました。amiさんの言葉使いが大好きでした。終わり方も、ほっとする？爽やかな？心が明るくなる様なエンディングで、何度も読み返したい作品です。本当にありがとうございました。 (2021年8月30日 10時) (レス) id: 533b71ddc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ami
| 作成日時：2017年9月18日 12時
