深愛35 ページ35
結局、唯の誤解は解かぬまま
彼女は俺の元を去り
代わりに戻った三宅さんを迎えた
Aの代わりに入った田村さんも
その頃には大分仕事に慣れ
表面上は何の問題もなく経営できていた
.
「...あ、お久しぶりです」
「ん、久しぶり...」
6月に入り
本格的に梅雨入りしたある日
俺は久しぶりにAと顔を合わせた
「...出かけるの？」
「はい、ちょっと約束してて」
雨が降る玄関先で
傘を片手に出かけようとするA
「送るよ」
「え...」
「ちょうど俺も出るところだったし」
「いえ、大丈夫ですっ...」
慌てて首を横に振るAの声は
聞こえないフリをして
乗り込んだ車を発進させた
「乗って」
すぐに停車したAの家の前
助手席の窓を下げ
半ば強引にAをそこへ座らせる
「すみません...」
俺が無理やり乗せたのに
そう言って謙遜するAを
やはり愛しく思う
「髪、切ったんだ」
「はい」
行き先を確認して発進させた車
白く小さな顎の横で
真っ直ぐ切り揃えられた髪に目をやる
童顔のAが
少しだけ大人に見える髪型
「似合ってる」
「...ッ///ありがとう、ございます」
予想通り、照れて上気するAを
めちゃくちゃにしたい衝動に駆られる
...いや
もし仮に信号で停車していたら
間違いなく俺は
Aに覆い被さっていたと言える
ここが真っ昼間の車内である事も
何よりAの気持ちも構わずに
「新しい職場はどう？もう慣れた？」
「はい...
皆さん親切なので、何とかやってます」
腰の低いAの事だから
きっと可愛がられているんだろう
「そ...良かった」
「...(笑)」
喜ばしい事なのに
言葉とは裏腹に渦巻く、おぞましい嫉妬
俺の知らないAを
毎日目にする連中に向けられた
惨憺たる感情
それを払拭するように
ワイパーを速めた
「雨、凄いですね...」
「...ん」
タイミング良く強まった雨に
救われている俺を、Aは知らない
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神鹿(プロフ) - 見つけられました！ありがとうございます！ (2021年9月2日 23時) (
レス) id: 874191ca7a (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - 神鹿さん» 神鹿さん、私の作品ページから飛べませんか？出来ないようであれば神鹿さんの設定R18作品を読めるように変える必要があります。 (2021年9月2日 8時) (レス) id: d1c1872a15 (このIDを非表示/違反報告)
神鹿(プロフ) - スミマセンが 別部屋へは どうやったら読みに行けますか？ (2021年9月1日 22時) (レス) id: 874191ca7a (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - はるさん» はるさん、嬉しいお言葉のオンパレード！感激です。長らく放置していて気がかりだったお話を完結できて、私もほっとしています。一緒に楽しんで下さり、こちらこそありがとうございました。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: d1c1872a15 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 最後まで、ドキドキしながら読ませて頂きました。ありがとうございました。amiさんの言葉使いが大好きでした。終わり方も、ほっとする？爽やかな？心が明るくなる様なエンディングで、何度も読み返したい作品です。本当にありがとうございました。 (2021年8月30日 10時) (レス) id: 533b71ddc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ami
| 作成日時：2017年9月18日 12時
