深愛32 ページ32
Aちゃんが辞めて3週間程経った
先生とAちゃんのカップルが
大好きな私としては
実に！面白くない今回の結末だけど
「今日からAちゃん、新しい職場かぁ...」
Aちゃんの気持ちを思えば
応援するしかない
だけどちょっと、気掛かりなことも
ガチャン...
クリニックの駐輪場に自転車を停めて
鍵を掛ける
Aちゃんが新たな就職先として選んだのは
ここから二駅先にある歯科医院
数名の医師が在籍するわりと大きな医院で
その内の一人の医師がどうも気掛かりなのだ
というのも、女性関係において
いい噂を聞かないから
職場の女の子に手を出す事もしょっちゅうで
ただ腕はいいらしいので
それ故厄介だと耳にした事がある
「Aちゃん
可愛いからなぁ、大丈夫かなぁ...あ」
考えて込んでいて気付かなかった
足を止めた階段の数段先
クリニックのドアに鍵を差した先生に
「おはようございます...」
「...おはよう」
まずった
今の独り言、聞かれてないよね
何か言いたげにこっちを一瞥し
無言で鍵を開けた先生に不安になる
先生がこの事を
どこまで把握しているかわからないから
いや、Aちゃんの勤め先は
恐らく知っている
受付で水無月さんと話をしている時
偶然にも先生が顔を覗かせたから
あの時、先生は顔色ひとつ変えなかったけれど
用を告げた去り際
「そっか、決まったんだ...」
そうボソッと口にするのを見逃さなかった
だから恐らく勤務先は把握している
ただ例の危険人物についてはわからない
先生の情報網がどの程度なのか知らないから
ただし、万が一把握しているのだとしたら
今後院長室は、目も当てられない状態に
なってしまうかもしれない
Aちゃんが辞めて
診療には何も影響は出ていない
そこは徹底しているから流石だ
その反面
先生のプライベート空間である院長室は
まるで先生の心情を表しているかのように
荒れている
もちろん毎日掃除はしている
それでも翌日にはまた荒れてしまうのだ
「何か、見かけによらないですね」
新しく入った歯科助手の田村さんが
そんな風に漏らす程
以前の先生なら
デスクの上に資料や医学書を散らかす事も
ソファに服を脱ぎっぱなしにする事も
飲みかけのコーヒーをそのままにする事も
なかったのに
「はぁ...」
...バタン
院長室に消えていった先生の背中を見て
ため息が零れた
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神鹿(プロフ) - 見つけられました！ありがとうございます！ (2021年9月2日 23時) (
レス) id: 874191ca7a (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - 神鹿さん» 神鹿さん、私の作品ページから飛べませんか？出来ないようであれば神鹿さんの設定R18作品を読めるように変える必要があります。 (2021年9月2日 8時) (レス) id: d1c1872a15 (このIDを非表示/違反報告)
神鹿(プロフ) - スミマセンが 別部屋へは どうやったら読みに行けますか？ (2021年9月1日 22時) (レス) id: 874191ca7a (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - はるさん» はるさん、嬉しいお言葉のオンパレード！感激です。長らく放置していて気がかりだったお話を完結できて、私もほっとしています。一緒に楽しんで下さり、こちらこそありがとうございました。 (2021年9月1日 0時) (レス) id: d1c1872a15 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 最後まで、ドキドキしながら読ませて頂きました。ありがとうございました。amiさんの言葉使いが大好きでした。終わり方も、ほっとする？爽やかな？心が明るくなる様なエンディングで、何度も読み返したい作品です。本当にありがとうございました。 (2021年8月30日 10時) (レス) id: 533b71ddc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ami
| 作成日時：2017年9月18日 12時
