ディスタンス18 ページ18
「コレ、どんな気持ちで買った...？」
目の前に差し出されたのは
ワインレッドのパンプス
かかとを持った先生が、左手を靴底に添えて
靴先をそっと私に向けた
「あ...」
今日一日、少しでも大人に見えるように
色んなお店を回った事を思い出した
「気付いてやれなくて、ごめん...」
「・・・・」
「傷付けて、ごめん...」
先生...
涙で滲む先生の姿が
足元に消えていった
「Aにしては
珍しいヒールの高さだね...」
床に片膝をつき
私の足にパンプスを履かせる先生に
「...あの
なりたかったの...」
ずっと抱えていた不安をぶつけた
「先生の隣に
違和感なく収まる、あのひとみたいに...」
「...みさきは」
「え...」
「さっき一緒にいた女性は
以前付き合ってた彼女なんだ」
彼女...？
「今はもう友人の一人だけど
たまにああやって二人で会ってる」
そう、だったんだ...
見ず知らずの他人と
関係を持っていたわけでは無いことに
ホッとしている自分と
モヤモヤと
拭い切れない不安を感じている自分がいた
「当て付けてやりたかったんだ...
彼女と一緒に過ごす事で、アイツと楽しそうにしてるAに...」
子供っぽいだろ...
そう呟いて、先生は呆れたように鼻を鳴らした
「でも...Aと付き合ってから会うのは今夜が初めてだし、もちろんそーゆー事はしてない。そのつもりもない」
靴を履かせ終わった先生が私を見上げた
私を、真っ直ぐ見つめるその瞳に
嘘は感じられない
「...よかっ、た」
私の...思い過ごしだったんだ
ホッとしたら
また涙が零れた
「ホントに、ごめん...」
それを拭った先生
小さくため息を零し俯いた
その瞬間
なぜか先生がとても小さく見えて
堪らずソファを飛び下り
先生を抱き締めた
「...A？」
床に膝立ちになり
先生の首にしがみつくように腕を回した私に
先生が戸惑いの声を上げた
今なら言える気がした
遠く感じていた先生が
実は私と同じだったとわかって...
「先生...？」
「...ん？」
「私ね、ずっと不安だった...
先生と9歳も年が離れてて、どうやっても先生に釣り合わなくて...」
先生が息をのんで聞いてるのがわかる
「でもね...それでも先生と一緒にいたい。
先生の事が好きだから、大好きだから...それでも先生と一緒にいたいの...」
言い終わると
さらにしがみつくように
先生の首の後ろにきつく腕を回した
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ami(プロフ) - おちゃめさん» おちゃめさん、私のお話で気分が上がるなら作者として嬉しい限りです！ありがとうございます。なかなか更新出来ず申し訳ないです。シリーズ化、二人の設定などは妄想済みですので書かせて頂きたいなとは思っています。リクエスト嬉しかったです(*^^*) (2021年5月10日 22時) (
レス) id: 0ddc4682c7 (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - りんさん» りんさん、お粗末様です(笑)こちらこそマイペース更新にも拘わらず、コメントまでありがとうございます。嬉しいです(*^^*) (2021年5月10日 22時) (レス) id: 0ddc4682c7 (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - momoさん» momoさん、わかります、いくつになってもトキメキたいですよねぇ〜。永遠の20代！(笑)変わらずお付き合い頂き嬉しいです。ありがとうございます。 (2021年5月10日 22時) (レス) id: 0ddc4682c7 (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - のこさん» のこさん、歯科医チャンミン！そうなんですよね...リアルの分まで裁きを受けさせたいのですが...←。納得のいく物が書けましたら更新しますね。いつもありがとうございます！ (2021年5月10日 22時) (レス) id: 0ddc4682c7 (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - パープルライオンさん» パープルライオンさん、こちらこそ久しぶりにも拘わらずお付き合い頂き、コメントまでありがとうございます(*^^*) (2021年5月10日 22時) (レス) id: 0ddc4682c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ami
| 作成日時：2016年12月26日 23時
