秘密のクリスマス5 ページ41
「ねぇ、シム君は
ひなちゃんのどんなところが好きなの？」
夜の住宅街
早足で歩く私の隣を
長い脚で普段通りに歩くシム君に
ふと思いついて聞いてみた
しかしコンパスの差が恨めしい
「...高梨さんは？」
答えてくれないんだ
勝手に同士だと思っていただけに
完全に心を許してはいないその様子に
少しだけ寂しさを覚えながら考える
ユノの好きなところなんて、沢山ある
まず外せないのは
太陽みたいな笑顔で笑うところ
実際その笑顔で
バイト先の先輩であるユノに堕ちたんだから
それから男らしく、小さな事は気にしないところ
でもホントは繊細で
だけど揺るぎない強さを持っていて
そして何より
私を大切に想ってくれるところ...
「...ッ」
微笑むユノを思い出して
胸が詰まったように苦しくなった時
「...あ」
いた...
二人の姿が目に飛び込んできた
歩いてきた路地を曲がってすぐ
大通りに面する道を二人並んで歩いている
...なんか、ヤダ
ただでさえ目を逸らしたくなる光景なのに
シャンパンゴールドに煌めく街路樹の下
クリスマスムードに包まれた街を歩く二人の姿は
どっからどうみても恋人同士で
「あっ...！」
思わず大きな声を上げてしまったのは
前方に小さく見えるひなちゃんが
何を思ったのか突然
ユノの腕に両手を絡めたから
しかもユノもごく自然にそれを受け入れて
あれじゃあホントに
恋人同士じゃない...
楽しそうに笑う二人の後ろ
もはや歩く気力さえ失せて立ち止まった私の横で
シム君も静かに足を止めた
「・・・・」
真っ直ぐ前を見据えるその横顔からは
ただ静かに白い息が空へと立ち上ぼり
そんな彼の隣を、キャッキャッ言いながら
二人の女の子が通り過ぎていった
「あのカップル ヤバイねー」
「美男美女で超お似合ーい！」
「目指すはアレだね」
「だね！」
「「来年こそは！(笑)」」
美男美女のカップルとは
間違いなくユノとひなちゃんの事で
他愛のない
その場のノリで生まれたガールズトーク
それがこんなにも胸に突き刺さるのは
アレが初めて目にする二人の姿であり
自然な姿であり
そして今夜が
クリスマスだから
「なんか、バカみたいだね。私達...」
「・・・・」
ホント、バカみたい...
遠くなる二人の後ろ姿を
ただじっと見つめていた
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ami(プロフ) - おちゃめさん» おちゃめさん、私のお話で気分が上がるなら作者として嬉しい限りです！ありがとうございます。なかなか更新出来ず申し訳ないです。シリーズ化、二人の設定などは妄想済みですので書かせて頂きたいなとは思っています。リクエスト嬉しかったです(*^^*) (2021年5月10日 22時) (
レス) id: 0ddc4682c7 (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - りんさん» りんさん、お粗末様です(笑)こちらこそマイペース更新にも拘わらず、コメントまでありがとうございます。嬉しいです(*^^*) (2021年5月10日 22時) (レス) id: 0ddc4682c7 (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - momoさん» momoさん、わかります、いくつになってもトキメキたいですよねぇ〜。永遠の20代！(笑)変わらずお付き合い頂き嬉しいです。ありがとうございます。 (2021年5月10日 22時) (レス) id: 0ddc4682c7 (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - のこさん» のこさん、歯科医チャンミン！そうなんですよね...リアルの分まで裁きを受けさせたいのですが...←。納得のいく物が書けましたら更新しますね。いつもありがとうございます！ (2021年5月10日 22時) (レス) id: 0ddc4682c7 (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - パープルライオンさん» パープルライオンさん、こちらこそ久しぶりにも拘わらずお付き合い頂き、コメントまでありがとうございます(*^^*) (2021年5月10日 22時) (レス) id: 0ddc4682c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ami
| 作成日時：2016年12月26日 23時
