人魚姫のバレンタイン4 ページ36
小さな両手で差し出された
パステルピンクの小ぶりな箱
この大きさだと恐らく
一口サイズのチョコが6粒くらいか
「Aが作ったんだろ？」
「うん(笑)」
嬉しそうに頷くA
可愛い
「ありがとう(笑)」
その手からチョコを受け止り
ワクワクしながら蓋を開けた
パカッ...
「え...」
するとそこにあったのは
ハート型のチョコがちまっと一粒
何とも申し訳なさそうに
箱の真ん中に収められていた
「ホントはね
もっといっぱい作ったの」
チラッ...
「でもまだ柔らかかったみたいで」
チラッ...
じっとチョコを見つめる俺の顔色を
Aがチラチラと窺っているのがわかる
要するに型から外す段階で
失敗したって事か
「・・・・」
たったこれだけの情報で
何度も何度も冷蔵庫を覗くAの姿が
自然と浮かぶんだからヤバイ
そしてそれは強ち間違ってはいないだろう
だからこそヒョンに嫉妬した
例え潰れたケーキでも
そこにAの気持ちが
たくさん詰まっているのがわかるから
「あ...食べるの？」
箱の下へ蓋を重ねた俺を見てAがそう言った
「うん」
Aが一生懸命作ったチョコ
一粒しかないから勿体ないけど
今すぐ「美味しかったよ」って
とびきりの笑顔で褒めてあげたい
「わかった」
...ん？わかった？
すると徐にAの手が伸びてきて
チョコを摘まむとなぜかそれを自分の口へ含んだ
「...え」
そのまま俺の方へ突き出す
...つまり
口移しでチョコを食べろって事？
「・・・・」
思わぬ事をされて、一瞬思考が停止した
そんな俺を他所に
箱を持つ俺の左腕に両手でしがみつき
背伸びをしてチョコを差し出すA
なぜAがこんな真似をするのか
それは恐らく...と言うか確実に
入れ知恵をさせられたからだ
もちろんあの人に
ニヤニヤと
締まりのない顔で笑うヒョンが浮かぶ
...クソッ！
こんなありきたりなシチュエーション
ヒョンの思うツボにはなりたくないのに
「...？」
チョコをくわえ
じっと俺を見つめるAを見ていると
沸々としたモノが込み上げてくる
「...ッ」
不意に俺と同じシャンプーの香りがして
独占欲が溢れ出た
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ami(プロフ) - 千衣さん» 千衣さん、呆けているユノ、想像できましたか？(笑)そしてこんな美味しいネタ、弄らないワケにはいかないですよね。最強様を赤面させられるチャンスなのだから。今回もキュン死して頂けたとの事で嬉しかったです！ありがとうございます(*^^*) (2020年3月19日 22時) (
レス) id: f40d9a27f9 (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - 沙羅さん» 沙羅さん、ホントこちらのユノはある意味天才です(笑)このお話にはなくてはならない存在！何度もコメント下さり励みになりました。ありがとうございます(*^^*) (2020年3月19日 22時) (レス) id: f40d9a27f9 (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - 美ゆさん» 美ゆさん、こちらこそ歓喜の叫びをありがとうございます(笑)ユノ、マンネの性...じゃない成長ぶりを聞いて廃人です(笑)楽しんで頂けたようで良かった！ (2020年3月19日 22時) (レス) id: f40d9a27f9 (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - 環琉さん» 環琉さん、チャンミンと人魚ちゃんとのやり取りは書いてる私も楽しかったです。結局ユノもチャンミンも彼女に甘々なんですよね。感想を教えて下さりありがとうございました！ (2020年3月19日 20時) (レス) id: f40d9a27f9 (このIDを非表示/違反報告)
ami(プロフ) - Mikuさん» Mikuさん、不安もありましたがそう言って頂けて書いて良かったと思えました。ありがとうございます。このお話のユノはホントに頼りがいのあるいいヒョンですよね。私も大好きです。また何か浮かびましたら書かせて下さいね。 (2020年3月19日 19時) (レス) id: f40d9a27f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ami
| 作成日時：2016年10月3日 14時
