二度目の旅行18 ページ6
「...ッ、んっ...」
それでも、一度動き出した身体は
もう言うことを聞かなくて
徐々に自分を見失っていく
「A、手...？」
「え...」
手...？
ふいにそう言われて
閉じていた目をうっすら開けると
既にトロンとなった瞳で
私を見上げるアイツが
掌をこちらに向けて右手を差し出していた
チャンミン...
その大きな手に
そっと自分の左手を重ね合わせ
指を絡めて握り締めた
きつく繋がれた、二人の手
ちゅっ...
それを引き寄せ
指先に優しくキスをしたアイツが
両目を細めて笑い、私の頭を優しく撫でた
「...僕の(笑)」
その幸せを噛み締めるような笑顔に
身体の奥から愛しさが込み上げる
だから今度は
そんな溢れる想いを伝えるように
体を動かしていく
.
「「はぁはぁ...ッ！」」
二人の間で
徐々に重なる吐息が熱くて
キシッ...キシッ...
ベッドが軋む音と共にぶつかる
汗ばんだ身体も熱くて
あっ、もう...！
これ以上体を起こしていられなくて
「...ッ」
倒れ込むようにアイツの首筋に顔を埋めて
目の前の肩にしがみつき
汗で滑る身体を必死に揺らし続けた
「A...A...ッ」
そんな私の耳元で
何度も何度も
確かめるように私の名前を呼ぶ
アイツの吐息混じりの熱い声
「まだダメ、もっと...ッ」
腰に巻きつく逞しい腕に
きつく握り直された手
もう...
私の身体の至るところすべてが
アイツでいっぱいになって、逃れられなくて
「あっ...チャンミン！」
お互いの身体の境界線が
どこなのかもわからなくなるほど
アイツとひとつに溶け合うこの時が
たまらなく幸せで
たまらなく愛しい
「はぁはぁ、はぁ...
好きだよ...チャンミン」
「ん、僕も...」
ぎゅうっ...
.
今夜もかけがえのないそんな時間を
アイツと二人
確かに刻んでいった
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作者名：ami
| 作成日時：2016年3月21日 17時
