オマケのプレゼント2 ページ31
「...Aさん」
「なに...？」
低い声で私を呼ぶアイツに
嫌な予感しかしない
「これを見てください...」
だから、なに...？
アイツの周りは既に"負のオーラ"満載で
依然としてプルプル震える手で差し出された
ケータイの画面に恐る恐る近付いた
えーと、どれどれ...
ケータイに顔を寄せ
プルプル震えて見づらくて仕方ない画面を
何とか確認すると
・・・ヤバイ、やってしまった
そこに表示されていたのは
眩しい笑顔で微笑む愛しの豊の写真と
彼の足のサイズ
私がよくチェックしてるファンブログが上げた
彼のプロフィールだった
「・・・・」
「その反応...やっぱりですか！」
「えっと、違うの・・・」
「何が違うんですか！」
...うりゅっ！
アイツがついに泣き出してしまった
こうなってしまっては
本当の事は口が裂けても言えない
あの日、偶然目にした豊のポスターを見ながら
「彼と」ペアルックをしている姿を想像して
プレゼントのスニーカーを手にしたなんて
そんな恐ろしい事、絶対...
「Aさん！」
「はい！」
「Aさんは
本当に僕の事を愛しているんですかっ！」
とにかく何とかして
この場を乗り切る事しか考えてない私に
グスグスと鼻を鳴らしながら訴えてくるアイツ
「よりにもよって
彼！と間違えるなんて...」
終いにはオーイオイと泣き始めてしまった
「はぁ...」
思わずため息が漏れる
でも、若干のわざとらしさは感じるものの
間違った事は事実なので
謝る為アイツに更に体を寄せた
「ごめんね？チャンミン...」
ゴシゴシと涙を拭う手を取り
下からアイツを見つめる
単純なアイツは
それだけですぐに泣き止んだけど
きっと簡単には許してくれない
だってそれがアイツだから
隙あらば私の愛を欲しがる
甘えたがりのアイツだから
「本当に、悪いと思ってるんですかっ...？」
「うん、思ってるよ...」
「だったら証拠を見せて下さいっ...」
「証拠？」
「僕の事、誰より好きって証拠を見せて下さいっ...」
ほらね？やっぱり
これが、アイツだから...(笑)
.
唇を尖らせ
潤む拗ねた瞳で私を見つめる
かわいいアイツ に
ちゅっ...(笑)
"証拠のキス"を贈った
☆おわり☆
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作者名：ami
| 作成日時：2016年3月21日 17時
