二度目の旅行16 ページ4
「...ンッ！」
突然始まった息もできないほどのキスに
苦しくなってジタバタと暴れてみても
びくともしないアイツの腕
「...ッ！///」
「あ！待てよ、修一！...ぅっぷ」
そんな目の前の光景から
逃げるように立ち去った
ユウちゃん2号とジャイアン
その走り去る音が消えてなくなると
「...ん」
ようやく唇を離された
「...ッ、いきなり何す・・・」
「あれが、ジャイアンとのび太ですか？」
「え...」
見上げる私の顔を両手で包み
真剣な顔でそう聞いてくるアイツ
怖いくらい、真っ直ぐな瞳
その、どこまでも真っ直ぐな瞳に
とてもじゃないけど嘘なんてつけなくて
...コクン
静かに頷いた
「...嘘つきですね」
「え...嘘なんかついてな・・・」
「Aさんは嘘つきだ」
「嘘じゃない！あの二人がっ・・・」
「あの二人のどこが
ジャイアンとのび太なんですか？」
「え...」
「二人ともカッコよくて...
しかもAさんを"狙ってる"男じゃないですか！」
「...チャンミン」
私を見つめるアイツの瞳は
不安そうに、微かに揺れていて
「ごめん...」
「...許しません」
「え...」
「僕がヤキモチ焼きなの、知ってますよね？」
言いながら
私の頬を撫でる指先はとても穏やかで優しいのに
「それなのに、嘘なんかついて...」
見つめる瞳は熱く
ユラユラと燃えている気がした
「今夜は、覚えておいて下さいね...」
ちゅっ...
「行きますよ」
「キャァー！！キスした！」
「やだぁー！！」
「どうしてー！」
いつの間にできたのか
私達を取り囲む群衆からは
悲痛な叫び声がいくつも上がっていたけど
アイツに手を引かれて歩く私の耳には
少しも、届いてこなかった
...なぜって
久々に見た「男」なアイツにヤられて
うるさいくらい
自分の鼓動しか聞こえてこなかったから
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作者名：ami
| 作成日時：2016年3月21日 17時
