歓びの涙 ページ27
.
―観覧車が頂上に来た時に
キスをした二人はずっと一緒にいられる―
アイツが好きな
観覧車にまつわる恋のジンクス
聞かされたのはもちろん
この観覧車に乗った初デートの時
.
...ズルイ
ズルイよ、チャンミン
やっぱりチャンミンはズルイ
だってそんなジンクスを聞かされた上に
目の前でそんな...
不安気に震える睫毛を見せつけられたら
例えどんなに二人の未来に迷いが生じていても
キスしないわけにいかないじゃん...！
私は観覧車がちょうど天辺に来るのを見計らって
目を閉じ
静かにキスを待つアイツの唇に
思いきり唇を重ねた
「...ン！」
その瞬間
微かにアイツの声が漏れたのは
アイツの首に腕を絡め勢いよく飛び付いた私の
威勢が良すぎたから
チャンミン...
チャンミン...！
泣きながら唇を重ねる私の背中に回された
震えるアイツの両手
もう、それだけでわかる
泣き虫なアイツは
きっと同じ様に泣いてるって
嬉しくて、切なくて
目の前にいる相手が堪らなく愛しくて
この世で
心から愛する誰かがいる人だけが知っている
"歓びの涙"を
きっと同じ様に流している
「「...ッ、しょっぱ(笑)」」
ほらね、流してる...(笑)
クシュクシュと、両手で愛おしそうに
私の頭を撫で回すアイツと二人
おでこを重ね合って
ひとつになった想いに
笑った
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作者名：ami
| 作成日時：2016年3月21日 17時
