理不尽で幸せな罰ゲーム ページ15
「「...プッ(笑)」」
何だか一気に素に戻り
アイツと声を重ねて笑ってしまった
「はぁ...何だか気が削がれちゃいましたね」
確かに...
「続きはお風呂でスルとして...」
え...？お風呂？
ちゅっ...
まさかフルコースに
お風呂まで入っていたとは思わず
呆然とする私にアイツはキスをして立ち上がった
「えっとケースは？...あ、あった！」
この後、アイツと一緒に
お風呂で続き...
「...ッ///」
「あ！アキさんだ(笑)」
その時、テレビから流れてきたCMを観て
アイツが声を上げた
ん？アキさん...？
見ると、スキンクリームのCMかな？
モデルの「アキ」が
そのキレイな脚を惜しげもなく出して
クリームを塗っていた
キレイ...
顔に掛かる長い髪は
見るからに柔らかそうで
伏し目がちな横顔は女神のように整っていて
脚なんて体の半分以上あって
とにかく、選ばれた容姿の持ち主という感じ
「キレイですよね。
今度一緒に仕事するんですよ？」
「え...」
「実は...初めてCMの仕事が決まったんです。その相手がアキさんで」
「そう...なんだ」
そう言えば言ってたっけ
そんな事...
「はい(笑)」
アイツはこんな選ばれた人と一緒に
仕事をするんだ
アイツも選ばれた人の、一人なんだ...
外見だけで人の価値を判断するようで
こんな考えあんまり好きじゃないけど
そんな風に、思ってしまう
でも...
「...ね、お風呂行こ？」
目の前で跪いて、おでこを重ねるアイツに
そんな後ろ向きな考えはすぐに消えてなくなる
そんなアイツが求めているのは
他の誰でもない、私だから
「さっき言った罰ゲーム...覚えてますよね？」
私の腰を抱くアイツの目が
既に熱を持って蕩けているから
つられてこっちまで蕩けてしまう
「...うん」
「Aさんに...拒否権はないから」
ちゅっ...
「行こ...？」
唇に軽いキスをしてアイツが立ち上がった
差し出された手
それを掴み私も立ち上がる
理不尽な罰ゲーム
でも
「...ッこっち、向いてっ？A...」
「...ン」
「はぁ...ヤバイ、その顔」
体の隅々までアイツの愛を注ぎ込まれる
幸せな、罰ゲーム
翌朝のシャワーがきっと
このフルコースのラストである食後のコーヒー
だってこの罰ゲームに
私の拒否権はないから
「ふふっ...
もう一回したい、な？(笑)」
ちゅっ...
でも幸せだから
まぁ...いっか(笑)
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作者名：ami
| 作成日時：2016年3月21日 17時
