美味いメシでも2(番外編) ページ34
「え？」
床を見つめたまま呟くその様子に
一体何事かと
後ろへ預けた体を前に戻した俺の前で
「何かって言うと "AさんAさん" て...目の前に私がいるのに」
更に呟くアキ
「は？」
「"このボディクリーム、Aさんも好きかな？好きですよね？(笑)" って、知らないわよそんな事」
「アキ...？」
「おまけに "Aさんの肌はマシュマロみたいで、本当に食べちゃいたいくらいなんですよ？(笑)" って、だから知らないっつーのそんな事！」
「おい...」
「ったく、膝枕までして貰って幸せそうに微笑んでんじゃないわよ！」(※)
「・・・・」
膝枕...？
最後の一言は何の事かワケわかんなかったが
「こっちは別れたばっかなんだから、ちょっとは気を遣えっつーの！！」
普段はしない乱暴な口ぶりで
声色を変え、アイツのモノマネまでする
子供みたいなアキがおかしくて
「...プッ(笑)」
思わず笑ってしまった
「あ、なに笑ってんのよ！
ヒロだって知ってるでしょ？あの子が "AさんAさん(笑)" てうるさいの」
「まぁな(笑)」
「あの夜だって
何度うちらの前で彼女の事をノロケた事か！」
確かに、三人で飲んだあの夜
チャンミンは口を開くと
Aちゃんの話ばっかしてた
「でもそれが可愛いんじゃないか、アイツは(笑)」
一途で、今時珍しいくらいひたむきで
「フンッ！可愛くなんかないわよ。他の女を褒める男なんか」
「まぁまぁ(笑)」
「大体ね、デリカシーが足りないのよデリカシーが！こっちはいいＣＭになるよう、頑張って甘い雰囲気出してるのに、口を開けば "AさんAさん(笑)" て...一緒に仕事してるのは私なのよ？彼女じゃないっつーの！まったく...ブツブツ」
依然としてむくれた顔で
ブツブツと不満を漏らすアキを見ながら
今夜は美味いメシでも奢ってやるかな...(笑)
なんて思った
☆おしまい☆
ちょっと思いついたのでオマケの番外編でした(*^^*)
アイツの(外でも暑苦しい)想いと、アキの(作者も知らなかった)そのキャラについて楽しんで頂けたら嬉しいです。
※は「二度目の旅行14」を参照して下さいね。
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作者名：ami
| 作成日時：2016年3月21日 17時
