蘇った声 ページ7
「チャンミンさん。
今日はどこに食べに行くんですか？」
「今日はね、サークル仲間から聞いたお店に行ってみようと思ってるんだ」
放課後、約束通りセラと一緒に夕食をとるために
大学を出て定期を使って電車に乗った
「あと二駅で降りるんですよね」
...この駅、よく見たら
Aさんの職場の最寄り駅じゃないか
サークル仲間が書いてくれた紙を確認して
ようやく気付く
「チャンミンさん？」
「...あぁ、うん、そうだね」
Aさんは今日は仕事なのかな...？
当たり前に把握していたAさんの予定
もうそれさえも、わからない
「チャンミンさんが連れてってくれる所は絶対外れがないから楽しみ！(笑)」
目の前で笑うセラの予定なら
明日も明後日も、その先だって知っているのに
「そう言えば、僕達の事が噂になってるみたいだけど大丈夫？」
「え...」
「周りから何も言われてない？
ホラ...僕がこんな仕事してるから」
今だって
周りの乗客がジロジロと僕達の事見てる
あそこの若い女性二人なんて
ドアのそばに立つセラの事
頭のてっぺんから足の先まで
まるで品定めするみたいに眺めている
「そんな事まで気にしてくれるなんて...
優しいんですね、チャンミンさんは」
「え？」
「優しくて気が利く
理想の...か、彼氏ですねっ///(笑)」
そう言って耳まで真っ赤にして俯くセラ
その瞬間、またしても大介の声が蘇った
-世の中、お前よりいい男なんて巨万といるんだ。いつまでもそんなで、心変わりされたって知らないからな-
そう言って呆れる大介の声が
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作者名：ami
| 作成日時：2015年11月10日 12時
