二度目の旅行4 ページ40
その後立ち寄ったサービスエリアで
到着するなり
「はぁ〜、スッキリした！ふふっ(笑)」
あのキス以降
ずっと悶々としていたらしいアイツから
人目がある中
それはそれは熱烈なキスをお見舞いされるなど(オイオイ)
相変わらずなハプニングはあったものの
お昼前には無事
お世話になるペンションに到着した
.
「わぁ、海が目の前ーっ！(笑)」
青い空に映える
白いペンキ塗りの板壁が印象的な
可愛らしいペンション
そのすぐ横の駐車場に停めた車から降りると
感じる海風
「はぁー、海だぁ...(笑)」
車の前に回って目を瞑り
秋の穏やかな海の香りを思いきり吸い込んだ
「こうしてると、思い出しますね」
荷物を持って隣に立ったアイツが
サングラスを外した目を少しだけ細めて
同じように海を眺めた
「ん？思い出すって、何を？」
「一緒に海の家でバイトした時の事ですよ(笑)」
「あぁ！(笑)」
言われてみればそうだった
「あれがあったからこそ
こうして一緒にいるんですよね(笑)」
「そうだね(笑)」
あの夏...
あの高２の夏を
二人で一緒に過ごしたから
きっと今こうやって
二人でこの場所に立ってるんだよね
ほんの三年ほど前までは
全くの他人だった私達が
...チャンミン
あの頃の事を思い出したら
懐かしさと同時に
言葉では言い表せない
「愛しさ」に似た感情が込み上げて来て...
そっと横に伸ばした右手が
同時に伸ばしたアイツの左手と
当たり前のように重なると
見つめ合い、どちらともなく
...ちゅっ
今日何度目かわからない唇を
静かに、重ねてた
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作者名：ami
| 作成日時：2015年11月10日 12時
