鏡張りの部屋2 ページ29
以前、一緒に日記を読んだ時に言っていた言葉
"今でこそ
Aさんがどこが気持ちいいのかわかるけど..."
その言葉通り
私の身体を知り尽くしているアイツの手が
服の下で休むことなく
次々痺れるような刺激を送り続ける
「...ッ、はぁ...！」
「ん、そうだよ...
ほら見て？可愛い顔」
それと同時に囁かれる
私の羞恥心を煽るような台詞に
ついに我慢できずに
ぎゅっと目を瞑り顔を逸らすと
ふいにそれまで与えられていた刺激がなくなった
...ん？どう、したの...？
はぁはぁと肩で息をしながら
ゆっくり目を開けると見えたのは
「暑っ...！」
勢いよく服の裾を捲りあげている
アイツの姿
目の前の鏡に映る
淡いダウンライトの明かりに照された
裸のアイツ
ズボンの上の鍛え上げられた腹筋と
引き締まった胸板がすごく艶かしくて
またしてもクラクラと目眩がした
「...クスッ(笑)見すぎです」
「ぁ...///」
慌てて顔を横に逸らした
...キシッ
「いいんです
見てて？ずっと...」
アイツがベッドに上がってきた
脚の間に囲った私を後ろ抱きにし
逸らした顔を右手でそっと正面に戻す
「僕の身体は...身体だけじゃない
心も全部、Aさんのものだから」
私の...？
私の後ろに映るアイツの身体は
私をすっぽり包める程大きくて、逞しくて
その事実に今更ながらドキドキする
「ホントに全部...
Aだけのものだよ？」
言いながら腰に両腕を回し
首筋にちゅっと音を立ててキスをするアイツ
「...ッ」
かと思ったら
両手が再び服の下に滑り込んできて
アイツの心も身体も全部、私だけのもの
そんな甘いセリフを囁かれて
「あっ、やッ...！」
デニムのスカートの下にまで
滑るように手を入れられたら
全てを映し出す鏡が目の前にあるのに
嫌でもまた「女」の顔になってしまう
「そう、その顔」
「ンッ...」
「ヤバイくらい色っぽい...」
"色っぽい"
それを言うなら...
それを言うならチャンミンだって
「...A」
私を包む
血管が浮かぶ筋張った腕も
「ほら、我慢しないで...？」
耳の後ろで囁くその低い声も
「わかる？ここ...
もうこんなになってるから」
長い睫毛に隠れた
伏し目がちな眼差しも全て
負けないくらい色っぽくて
「やっ、もう...ッ！」
いつもの可愛い姿はどこにも見当たらない
見当たらないよ...？
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作者名：ami
| 作成日時：2015年11月10日 12時
