約束 ページ26
結局、アイツがあんなんだから
今夜はここに「宿泊」することになって
「ここに、僕とAさんの赤ちゃんがいるのかな...？」
夜、一緒に横になったベッドで
アイツが私のお腹にそっと手を添えてきた
「...ん、どう...だろう」
「ん？Aさん、眠いの...？」
「...ん」
ずっと熟睡できてなかったから
ぎゅう...
「安心して寝て下さい。
Aさんが眠るまでこうしてますから...」
私を優しく抱き締めるアイツの腕の中は
やっぱり一番安心できる
最高に幸せな場所で
「明日、一緒に病院に行きましょうね」
「...ん」
「おやすみ、A...」
ちゅっ...
私は久しぶりに
朝まで一度も起きる事なく熟睡する事ができた
.
そして翌朝
「あ、やっぱり...」
ただの生理不順だったのか、あっさり生理が来て
(アイツが一人で)大騒ぎした「妊娠騒動」は
その幕を閉じた
冷静になったアイツは、案の定
「どうして僕に一番に話してくれなかったんですか！そんっっなに！頼りないですかぁっ！」
そう言って
ぶぅっ！とむくれて拗ねてしまった
いくら私がまだ二人ともまだ若いし
初めての事で不安だったと言っても
一向に機嫌を直してくれなくて...
「悪いと思ってるなら...
僕が一番だって証拠を見せて下さい！
一週間後、ここで僕を愛してるって証明して下さい！」
などと言い出す始末
アイツに相談しなかった私が
一方的に悪いのはわかっていたから
「ただ単に、この鏡張りの部屋に興味があるだけじゃないの？」
なんて事は間違っても言えず(それでなくても言えないけど)
「シたくないなんて言われて...
ほんとぉ〜に！ショックだったんですよぉ？わかってますかぁ...？ブツブツ」
「はぁ...わかったよ」
「ホントですか！やったぁ〜！」
やったぁ〜って・・・
「じゃあ約束ですよ！はい！(笑)」
「...約束、ね」
はは、は...
「ふふっ(笑)」
仕方なく
生理が終わったらまたここに来る事を
小指を絡めて約束した
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作者名：ami
| 作成日時：2015年11月10日 12時
