舞い上がりすぎて ページ43
「Aさん
こんな服持ってたんですね」
「うん、この間買ったんだ」
いつものように
Aさんの小さな手と僕の手を絡めて
歩き出した
「よく似合ってます(笑)」
「ありがとう」
ゆるっとした
ダメージ加工がしてあるサロペット
華奢なAさんが着ると
それがまたすごくいい感じ
「...あ、そうだ！映画までまだ時間あるからちょっと先に寄りたい所ができたんですけど、いいですか？(笑)」
「うん、いいよ」
今日のデートは駅前の映画館で
映画鑑賞
でもあることを思いついて
先に近くのショッピングモールへ寄る事にした
「あ、そう言えば
例のペンション、予約とれました！(笑)」
「そうなんだ...」
「はい！(笑)
これで本格的に計画立てられますね、ふふっ(笑)」
「うん...」
「今の季節、ただ歩くだけでも気持ちよさそうですよね(笑)Aさんは行きたい所ありますか？僕はねぇ...ペラペラ」
久々に二人で過ごせる事が堪らなく嬉しくて
舞い上がり過ぎていた僕は
気付いていなかった
僕と会ってから
Aさんが僕に笑顔を見せていない事はおろか
旅行の話に
どこか気乗りしない感じのAさんの様子に
「はぁ...あと一週間以上もある。
待ちきれないなぁ(笑)」
「・・・・」
.
「Aさん
試着してくるからちょっと待ってて下さいね」
「うん」
ほとんど僕が一方的に喋って到着した
ショッピングモール(いつもだろ)
お目当ての店に着くと
良さそうな商品片手に試着室へ向かった
「ご試着で...あ！
モデルのチャンミンさん、ですよね！(笑)」
「はい」
お店の女性スタッフが僕に気付いた
「わぁ、ファンなんです。嬉しいー(笑)
あ、ソレご試着されますか？」
「はい」
「ありがとうございます(笑)」
おそらく僕より年上の女性スタッフ
「終わりましたら声掛けて下さいね(笑)」
そう言ってカーテンを締めた途端
「ねぇねぇ...今モデルのチャンミンが試着室にいるんだけど」
「うそ！マジで！？」
ヒソヒソと
他の女性スタッフと僕の事を語り始めた
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作者名：ami
| 作成日時：2015年6月27日 10時
