私が間違ってた ページ48
アイツに謝りに行こう
斉藤さんに間違いを気付かせて貰った私は
仕事が休みになるのを待って新幹線に飛び乗った
今日は平日
今出れば、ちょうどお昼休みには大学に着くはず
すぐにでもアイツに謝りたくて
予定通り、お昼頃アイツの大学に着いた私は
学生で溢れ返るキャンパス内を
必死になってアイツを探し回った
やっぱり、校舎の中を探さなきゃダメかな
そう思い始めた頃
・・・あっ、いた！！
友達と一緒に
ちょうど校舎から出てきたアイツを
見つける事ができた
久しぶりに目にするアイツの姿
「チャンミン！」
堪らず大声で名前を叫んでいた
その直後、一斉に辺りの視線が私に集まった
でも今は
そんなの気にしてはいられない
とにかく早くアイツに謝りたくて
私を見つけて目を丸くしてるアイツの元へ
駆け寄った
「A、さん...
どーしてここに...？」
目の前にいるのが信じられないのか
依然としてその瞳は大きく見開いたまま
「ハァハァ...謝りに来たの」
息を切らしながら答えた
「謝りに...？どうして？
僕がした事、理解できないんじゃなかったんですか...？」
震える声で聞き返すアイツ
「ごめんね、チャンミン。
私が間違ってた...大切な人が苦しんでたら、異性とかそんなの関係ないってわかった...」
実際私もそうだったから
想いが伝わるように
伸ばした右手でそっとアイツの頬を包むと
みるみるうちに
アイツの瞳に涙が溜まっていった
「ごめんね、チャンミン...」
言いながら、優しく頬を撫でる
「...ッ、Aさんっ！」
次の瞬間、アイツの瞳から
遂に大粒の涙が零れ落ちた
「Aさんなら...優しいAさんならっ、絶対に僕の気持ちをわかってくれるって思ってました...！」
チャンミン...
アイツの涙で濡れた私の手を掴み
いつまでも止まらない涙を零す子供のような姿に
「うん、うんっ...ごめんね？」
私も同じように涙を流した
「僕の方こそ...僕の方こそ
いっぱい泣かせて、ごめんなさい...！」
それをアイツの右手が優しく拭う
そのまま私の頭を
そっと自分の方へ引き寄せたアイツは
大勢の視線が集まる中
自分の胸に倒れ込んできた私を
「もう絶対嘘はつきませんっ...
つかないって、約束する...！」
痛いくらい
ぎゅうっときつく抱き締めた
そんなアイツの背中を
「...うん！」
私も同じように
思いきり抱き締めた
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作者名：ami
| 作成日時：2015年3月28日 22時
