感じる視線 ページ43
あれから、あんなに楽しみにしていたGWは
アイツと音信不通のまま過ぎていき
昨日、最終日を迎えた
お互い連絡をしないのは
きっと自分の主張を譲れないから
少なくとも私は確実にそうで
アイツが自分のした事は仕方がなかったんだと
自分の主張を譲れないように
私もそこは譲れなかった
私以外の子と同じ布団に入るなんて...
以前、ナナちゃんともそういう事があったけど
ナナちゃんはアイツが妹のように見ていた子
南川さんとは違う
だから今回は許せないし、譲れなかった
アイツの事が本当に好きだから
譲りたくなかった
そんな感じで毎日を過ごしていたから
眠れないのが当たり前で
食事もほとんど喉を通らなかった
それでも仕事は、自分なりに
いつもと変わらずこなしているつもりだった
だけど、やっぱり無理があったんだろうか
度々斉藤さんの視線を感じるようになった
仕事に関しては、人一倍厳しい斉藤さん
あの日、私の腫れた目の原因は
アイツにあると気付いて
仕事にプライベートを持ち込むなと
そう、言いたいんだろう
あ、今も...
ロビーの片隅でウェイティングをしている私を
少し離れた場所からじっと見つめている
こうなると私は、その視線に耐えられなくて
逃げるように目を逸らす
自分が間違っているのは、わかってるから
...フイッ
いつものように視線を逸らした時だった
「えっ...」
クラッと目の前の風景が歪んだと思ったら
「...竹内！！」
一気に目の前が真っ暗になり
そのままそこで、意識を失った
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作者名：ami
| 作成日時：2015年3月28日 22時
