嫉妬で ページ41
「あの日、朝Aさんのところに行く前に、参考書を貸しに南川さんの家に寄ったんです...」
逃げる私を追いかけてきたアイツが
あの日、私のところに来れなかった理由を
話し始めた
今はまだ話を聞けるような心境じゃないのに
言葉を選びながら
ゆっくりあの日あった事を伝えるアイツ
「・・・だから、あの日確かに一晩中南川さんと一緒にいたけど、Aさんが疑うような事は何もなくて...」
アイツはそこで一旦話すのを止め
言い辛そうにまた口を開いた
「...確かにあのキスマークは
南川さんがつけたものだけど」
やっぱりそうなんだ
頭がクラクラした
「僕が寝てる間に南川さんがつけたもので...」
寝てる間...？
「知らなかったんです。
南川さんが僕の事を好きだなんて...」
「...寝てる間って」
「えっ...」
「チャンミン...寝ちゃったの？
南川さんが隣に寝てるのに...？」
ショックだった
アイツが南川さんに心を許しているようで
「それはっ...
前の晩ほとんど寝れなくてっ！」
「知ってるよ...？
楽しみすぎて寝れなかったんでしょ？」
「はい、そうなんです！」
アイツの顔が
パァッ！と明るくなった
「でも、だからって寝たりする？」
「えっ...」
「そもそも、いくら熱があるからって
友達の...それも異性の布団に入ったりする？」
私が不安で眠れなかった夜
アイツは南川さんを抱き締めていたと思ったら
嫉妬で...
アイツの気持ちになって考える事なんて
できなかった
「仕方なかったんですっ！
あの時はああするしか他に方法が浮かばなくてっ...」
「私ならそんな事しない！
チャンミンが嫌がるってわかってるのにそんな事！」
「そんな...！僕がAさんの事何も考えてなかったって言うの！」
「違うの？だから平気で嘘ついたんでしょ？」
「違うっ！！
傷付けたくなかったから...嫌われたくなかったから、だから本当の事を言えなかった！」
「嫌われたくないなら
嘘なんてつかないでよっ！！」
「「ハァハァ...」」
アイツも私も
肩で息をしていた
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作者名：ami
| 作成日時：2015年3月28日 22時
