嘘だよ ページ29
それから何度アイツに電話しても繋がらなくて
RRR...
「あ...」
やっと繋がったと思ったら
pi...
なぜかすぐに切れるという始末
家の電話にも掛けたけど繋がらなくて
なんで、どうして？
何かあった？
不安を感じた私は
隼人に聞いてみようと考えた
だけどもしホントに
アイツに重大な何かが起こっていたら
隼人の方から連絡を寄越すだろうし
ついこの間迷惑を掛けたばかりだから
流石に悪くて迷った挙げ句連絡するのは止めた
-どうしたの？何かあった？-
そう送ったメールには
結局最後まで返事は来なかった
この間私が斉藤さんと出掛けてる時
こんな気持ちで連絡待ってたのかな...
なんて想像したら
バチが当たったのかな
なんて少しだけ思ったりもした
浅い眠りを繰り返した夜が明け
ベッドの上で微睡んでいた早朝
RRR...
枕元のケータイが鳴り響いた
もしかしてアイツかも！
慌てて電話に飛び付いた
「もしもし！」
「あ、もしもし...Aさん？」
電話の相手は案の定アイツだった
「チャンミン？昨夜どうしたの？
何度電話しても繋がらないし心配したんだから！」
「...ごめんなさい」
電話の向こうでアイツが小さく謝った
一先ず無事だった事にホッと胸を撫で下ろした
「で、何があったの？」
あんなに楽しみにしてたのに
急に来れなくなった理由を知りたかった
「よっぽどの事があったんでしょ？」
「...実は、急に両親が帰ってきて
一緒に父の田舎にお墓参りに行ってたんです」
嘘だと思った
直感で嘘だと、そう思った
そうでなくてもおかしいところがたくさん
いくら急でも連絡ぐらい出来ただろうに
そもそも、なんで嘘なんてつく必要があるの？
しかも親を使って嘘をつくなんて
そんな事をされたら
嘘だと思っても疑うなんてできない
「...そう、だったんだ」
「はい。ケータイも、家に忘れてたから...」
「え...」
嘘...だよ？
だって一度は繋がったんだよ？すぐに切れたけど
「...ごめんなさい」
アイツが明らかに
嘘をついているとはわかっていても
そんな風に謝られたら
悪い事しか思い浮かばなくて
「ううん...」
どうしても問い詰める勇気が出なかった
「あの...今から行ってもいいですか？」
・・・ほらね？
何かやましい事があるから
そんな風に聞いて来るんじゃないの？
「...うん、待ってる」
ねぇチャンミン
あなたは一体、私に何を隠しているの？
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作者名：ami
| 作成日時：2015年3月28日 22時
