辿り着いたLDKに ページ28
今日から待ちに待ったGWが始まった
仕事を終えた私は
足取り軽く従業員通用口を目指した
「あ、お先に失礼しまーす(笑)」
「ん？何かいつもよりテンション高くない？何かあったの？」
途中、すれ違った同じ課の先輩社員狩野さんに
そう言われた
いやいや、狩野さん
こ・れ・か・ら！いい事があるんですよっ！
私はニヤケそうになる顔をグッと堪え
返事をした
「いえ、何もありませんよ？(笑)」
職場で彼氏のノロケ話なんて痛すぎるから
「明日は休みだよね？
今日は早番だし、だからだろ？(笑)」
そう言って笑う狩野さんに
「ふふっ、お疲れさまです！(笑)」
私も笑顔で返して、職場を後にする
ガチャ...
重い鉄製の扉を開け
外に出た私は、真っ先にアイツに電話をした
そう！いい事とは
久しぶりにアイツに会える事！
RRR...
合鍵渡してあるから部屋で待ってるよね
「ふふっ(笑)」
RRR...
アイツの事だから
もしかして駅で待ってたりするのかな
RRR...
...ん？おかしい
なんで出ないんだろう
不思議に思いつつも
ま、家に帰れば会えるからいっか
-今上がったよ。これから帰るね-
それだけメールして家路を急いだ
アイツに会えるというだけで
電車から眺める見慣れた景色も
改札を抜けて飛び込んでくる風景も
どこかいつもと違って見えるのは何故だろう
逸る気持ちを抑えられず
足早に我が家を目指す
「はぁはぁ...」
遂にアパートが見えるところまで来ると
身体の底から沸き上がる
何とも言えない焦燥感
チャンミン...！
私は我慢できずに走り出した
勢いよく階段を駆け上がり
「ハァハァッ...」
ピンポーン...
息を切らしたまま
ここに暮らし始めて初めてインターホンを鳴らす
「Aさんっ！」
そう言って、飛びっきりの笑顔で
アイツが出迎えてくれるのを待ったけど
...アレ？
一向にドアが開かない
もしかして...寝てる？
昨夜の電話で
「僕は楽しみ過ぎて今夜は眠れそうもありません(笑)」
そう言っていたのを思い出し
感動的な再会(かなり期待してた人)は諦め
仕方なくいつものように鍵を差し込んだ
「ただいま...」
アイツが寝てるかもしれないから
控え目にそう言って部屋に上がる
「チャンミン...？」
短い廊下を抜けて辿り着いたLDK
そこに
...どうして？
いるはずのアイツの姿はなかった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 798人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ami
| 作成日時：2015年3月28日 22時
