ストレス発散法 ページ7
まさかAさんが、斉藤さんと
そんな風に仲を深めているなんて
知る由もない僕は
Aさんに会える半月後のGWを楽しみに
日々を過ごした
毎日欠かさず電話で声を聞いてるとはいえ
寂しさは募る一方で
遠距離恋愛が始まって一週間以上が過ぎ
その間に蓄積された
"会いたいのに会えない"
どうすることもできないストレスを
発散させる方法として、最も効果的だったのが
食べる事だった
だからバイトのない日は必ず
「食べ歩きサークル」へと足を運ぶようになったし
そうなると必然的に、サークル仲間の南川さんと
過ごす時間が増えていった
その日も
「ねぇシム君、さっき学食で真鍋さんに会ってね、今日は皆用事があるから活動は休みだって」
午後の講義が始まる直前
僕の机まで来た南川さんに声を掛けられた
「そうなんだ...」
なんだ...残念
家で一人で食べるの、ヤダな...
「ねぇシム君」
「ん？」
「よかったら、一緒に夕飯食べない？」
「えっ...」
「だって、今あからさまに嫌そうな顔したから」
南川さんは人の気持ちの変化に敏感な人で
そんな所もAさんに似ていた
「嫌なんでしょ？家で一人で食べるの」
南川さん...
「付き合ってあげるよ(笑)」
「うん(笑)」
「じゃあ、今日はあそこ行ってみない？」
「どこ？」
「イケメンシェフがいるって噂のHoとキッチン！」
「！！！」
「...プッ、すごい顔ー(笑)
冗談だよ冗談、シム君があそこに苦い思い出あるの知ってるしー(笑)」
南川さんはよく笑う人だった
僕に泣き顔を見せたのはあの一度きりで
最初のイメージ通り
明るい色のショートヘアがよく似合う
明るい人だった
そんな彼女といるのは楽しかったし
気付くと僕も一緒に笑っている事が多かった
だからだろうか
「なぁ、チャンミン。
お前南川と付き合ってるの？」
同じクラスの杉本が
そんな事を聞いてきた
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作者名：ami
| 作成日時：2015年3月28日 22時
