邪魔をしなくては ページ17
「お掛けになった電話を
留守番電話サービスセンターにお繋ぎします」
「なっ...留守番電話サービス！？」
しつこく鳴らし続けていた電話
やっと繋がったと思ったら留守番電話！？
慌ててもう一度掛けなおす
RRRR...
数回コールしたかと思ったら
再び留守電に繋がってしまった
「そんな...Aさん」
ガックリ...
リビングのソファで電話していた僕
あからさまに拒否されて
その場でがっくりと項垂れた
でも...
今は落ち込んではいられない
何としてもドライブデート(実際は仕事の延長)の
邪魔をしなくては
今日が休みでよかった
心おきなく邪魔ができる
僕はピコピコとケータイを打ち始めた
-もう車に乗りましたか？
助手席なんか乗ったらダメですよ。彼はあくまで運転手、ただのガイドです-
「よし、送信と」
イライラと貧乏ゆすりをしながら待つ
RRRR...
しばらくしてメールが届いた
「きた！」
素早く確認
-了解-
「・・・え？これ、だけ？」
じぃ〜
穴が空くほど画面を見つめてみても
クルッ...
ケータイを裏返しにしてみても
-了解-
ただ一言だけ
プルプルプル...
「・・・これじゃあわかんないっ！！」
僕は半泣きになりながら
再びピコピコとケータイを弄った
-今外は何が見えますか？
写真を送って下さい！-
こうやって送れば
Aさんがホントに後ろに乗っているか
わかるはず
「送信、と」
イライラ...
再び貧乏ゆすり
RRR...
「きた！」
ケータイに飛び付く
「なっ...！」
なんで！？
今度は文章すらない
「うっ...」
またまた半泣き状態で添付された写真を確認した
するとそこには
運転手寄りのフロントガラスから見える
綺麗な青い海が写っていた
プルプルプル...
「・・・だからこれじゃあわかんないっ！！」
しかもこれじゃあ
ホントにドライブデートじゃないか
キラキラと光る海岸沿いを走る車
隣には可愛いAさん
僕の夢のデートプランのひとつだったのに...
「うぅ...」
僕は泣きながらケータイを弄り続けた
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作者名：ami
| 作成日時：2015年3月28日 22時
