悲痛な叫びを聞きながら ページ15
「はぁ、朝か...」
翌日、ほとんど眠れず朝を迎えた
あれから連絡なかったけど
どうしたのかな
私に冷たくされて
南川さんに甘えたりしたんだろうか...
考え出すとまた切りがないから
今日はアイツに言った通り
ある意味仕事の延長だし
気持ちを切り替える事にした
「よし！」
勢いよくベッドを飛び出すと
バシャバシャッ！と冷たい水で顔を洗って
パンパンッ！と両頬を叩いた
「よし、行こっかな」
支度を終え、早速家を出ようとしたら
RRRR...
アイツからメールが
何だろう...
少しだけ不安を感じながらメールを開く
すると
-昨日はごめんなさい-
その一言
眉毛を下げて謝る姿が想像できて
眠れないほど悩んだのに
「...プッ(笑)」
思わず笑みが零れた
「私の方こそ、ごめんね？...コレでよし、と」
送信ボタンを押した次の瞬間
RRRR...
今度は速攻でアイツから着信が
何だかイヤな予感...
「...もしもし？」
恐る恐る電話に出ると
「もしもしっ！Aさんですかっ？
謝ってくれたって事は反省してるって事。反省してるって事はつまり斉藤さんとは出掛けないって事ですよね！！」
案の定そう言われた
しかもキンキン声で一気に
「...いや、謝ったのはチャンミンが傷付くとわかっていてあんな言い方をしちゃった事に対してであって、斉藤さんと出掛けるのはまた別の話・・・」
「別の話ってなんですか！
僕はあれからすぐに帰りましたよ？(ショックで具合が悪くなって食べれなくなっただけ)観光案内ならガイドのおじさんにでも頼めばいいんです。なんなら僕が電話しましょうか？えーっと待ってて下さいね、今パソコンで調べますから・・・」
「あの、チャンミン...」
「えーっとどれだ？...あ、これかな？」
「調べてる所悪いんだけど
もう、今から車に乗って出発するんだ」
メールの時点でギリギリの時間だったから
話をしながら斉藤さんのアパートまで
歩いて来ていた
「えっ...車？今、車って言いましたか？
それってつまりドライブデート...ブツブツ」
何だかブツブツ言ってるけど
コレはあくまで仕事の延長
「ホントにごめんね」
「えっ、ちょっ・・・」
「また帰ってきたら電話するから」
「ちょっと待って！Aさんっ！！」
アイツの悲痛な叫び声を聞きながら
私は電話を切った
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作者名：ami
| 作成日時：2015年3月28日 22時
