愛しいアイツ ページ7
教室に入ると
アイツは数人の男子の輪に混じって
楽しそうにしていた
幸せそうなアイツの笑顔を見たら
こっちまで幸せな気分になった
「あ、Aさん
おはようございます(笑)」
自分の席に鞄を置いた私に気付いたアイツが
ニコニコの笑顔を向けながらこっちにやって来た
「おはようチャンミン
どうしたの？ご機嫌だね」
さっきまで話していた男子達に
視線をやるアイツ
「やっぱり友達っていいですね...」
「そうだね(笑)」
「そう言えばアイツ
元気にしてるかな...」
「アイツ？」
「はい。僕が中学の頃、すごく仲良かったヤツがいたんです。
お互いの悩みや彼女の事、それに家族の事も何でも話せる友達だったんです」
「"だった"？」
「はい...中3の終わりに親の転勤で引っ越しました。僕もその後すぐ他人を避けるようになったし、連絡を取らなくなってもう大分経ちます」
「そうなんだ...」
親の転勤か...
子供にはどうすることもできないもんね
「ねぇ、何でチャンミンは
親の転勤についていかなかったの？」
「行きたい大学があるからです」
そうなんだ
しっかり将来の事を考えてるんだね(お前は？とか言わない)
「寂しくないの？」
聞いてすぐ後悔した
寂しくないわけないじゃん...
「ごめ・・・」
そう言いかけた私の左手を
アイツが両手で握り締めた
「今はAさんがいるから
寂しくないです」
そう言うとふんわり笑う
私が、いるから...？
「...そっか
なら...良かった」
なんだか胸がいっぱいになり
今にも涙が零れてしまいそうで
慌てて顔を逸らした
するとそれに気付いたのか
アイツが握っていた手を引き寄せて
優しく私を抱き締めた
チャンミン...
一瞬にして、静まり返る教室
でもすぐにザワザワし出して
私達二人の事を口にしてるのは明らかだった
「あ...」
慌ててアイツの胸を押し
体を離そうとした
「教室だからとか...
そんなの関係ないですよ？」
その耳に、アイツはそっと囁く
ふいにてつやさんの言葉を思い出した
―チャンミン君は杏ちゃんの事を
すごく大切に思ってるんだね―
私は...
ざわつく教室で私を抱き締めるアイツが
大切な事のためには周りを気にしないアイツが
愛しくて愛しくて...
仕方なかった
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ami(プロフ) - のりのりさん» のりのりさん、嬉しすぎるお言葉をありがとうございます(*^^*)なかなか表現力がなくて、ありきたりな描写しかできませんが少しでも届くものがあるなら嬉しい限りです。続きも公開しましたのでお時間あるときに覗いてみて下さいね。ありがとうございます(*^^*) (2016年5月7日 10時) (
レス) id: 08257c9958 (このIDを非表示/違反報告)
のりのり(プロフ) - 何度読んでも 幸せな気持ちにキューンときたり、切なくて苦しくなったり… 入り込んじゃいます(^-^) (2016年5月4日 7時) (レス) id: 21fe8feb28 (このIDを非表示/違反報告)
an(プロフ) - かえるさん、アイツも自分の気持ちの持っていき場所がなく、こんな態度をとってしまいました。今なら...きっとキャッ(//∇//)な感じで嫉妬されちゃうんでしょうね。 (2014年5月22日 14時) (レス) id: 65b029e398 (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - 読んで内容も知ってるのに胸が締め付けられます…(T△T) (2014年5月17日 19時) (レス) id: cb09582b35 (このIDを非表示/違反報告)
an(プロフ) - ありかさん、意地悪な作者なんですみません(笑)アイツのやきもちは今後もずっと続いていきます。もしかしたらパワーアップしてるかも！？ (2013年7月11日 16時) (レス) id: 65b029e398 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ami
| 作成日時：2013年5月30日 10時
