アイツと旅行9 ページ9
「はぁ〜、やっと着きましたね(笑)」
ホントに...
やっと...着いた...
あれから
私に怪我をさせてしまったと大騒ぎしたアイツは
旅館まで私をおんぶして行くって言って聞かなくて
そんなアイツを
なんとかかわしながら辿り着いた旅館は
ホントに、実際の距離の倍はかかったような
そんな気さえしてしまう
「はぁ〜疲れたぁ...」
部屋からの素晴らしい景色を眺める前に
とりあえず
部屋の真ん中に置かれた座卓に突っ伏した
考えてみたら
昨日は遅番だったからほとんど寝てないし(アイツがどうしても始発で行くと言って譲らなかった)
予定外の事が色々重なって...
何だか....
眠くなってきたかも...
目を瞑り
うつらうつらし始めたその時
「Aさん...」
耳元で囁くアイツの声がした
寝入り端だったからびっくりして目を開けると
えっ...
アイツが私の後ろから座卓に両手を着き
覆い被さるように横から私の顔を覗き込んでいた
「Aさん...」
私を呼ぶその瞳は
既に微かにトロンとしていて
「疲れたなら
お風呂...入りましょう？」
完全に私を誘っている
・・・ヤバイ
こんな明るいうちから一緒にお風呂なんて
ただでさえ無理なのに
アイツのこの目...
絶対無理！！
一気に目が覚めた
「ね？いいでしょ...？」
よくない！！
慌てて体を起こそうとしたものの
私がその腕から逃げられないよう、すぐ後ろで
アイツが私を囲うように体を重ねてるから
そうできない
「ねぇ、チャ・・・」
おまけにこれ以上言うなと
蕩けるようなキスで唇を塞がれて
「せっかく二人っきりの旅行なのに
もう全然Aさんが足りない...」
そんな顔で
「足りないです...」
そんな事を言われたら...
「いいって言うまで
入ってきちゃダメだからね！」
「えーっ、何でですかっ！」
「何ででも！」
「そんな...
もう一秒もAさんと離れたくないのに」
うっ...
「ホントにダメ...？」
「・・・・」
「ねぇ...ダメ？」
「ダメじゃ...ない」
ガックリ...
「やったぁ...ふふっ
来て？脱がせてあげる(笑)」
結局コレだよ
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作者名：ami
| 作成日時：2014年9月25日 15時
